D-27 (エンジン)

D-27エンジン

D-27（Д-27）は、1980年代にイーウチェンコ・プロフレース社によって開発されたプロップファンエンジンです。このエンジンは、商業および軍用輸送機に特化した設計がなされており、特に中型軍用輸送機であるAn-70に搭載されて公式に試験が行われています。D-27の開発は、航空業界における新たなエンジン技術の需要に応えようとするもので、その最大出力は14,000shpに達しています。

D-27は、ゼネラル・エレクトリックが開発したGE-36UDFプロップファンと異なり、従来のプロペラを前方に配置する牽引式の設計を採用しています。エンジンの減速機はパワータービンにつながり、同軸反転プロップファンブレードに動力を供給します。また、D-27のコアは3軸式ターボファンエンジンであるD-36に関連または派生したものだと考えられています。

D-27の開発には多くの派生型も視野に入れられており、たとえば、

• - AI-127: Mil Mi-26ヘリコプター用のターボシャフトエンジンで、出力は14,500hpとされています。
• - AI-727: 推力帯域が9000kgfから11000kgfのターボファンエンジンの一連で、低騒音高翼弦長ファンを使用した設計が提案されています。

設計と構造

エンジン自体は、低圧の5段軸流式圧縮機、高圧の2段軸流式圧縮機、アニュラ型燃焼器、単段の高圧タービンおよび低圧タービンから構成されています。また、SPE Aerosilaが製造するSV-27同軸反転プロペラが、減速用の遊星ギアを経由して4段式のタービンに接続されています。この構造はエンジンの過剰な推力を防ぐ機能も果たし、安定した運用を可能にしています。

性能と仕様

D-27エンジンの特徴はその出力と重量比です。

• - 総出力: 14,000馬力 (10,440 kW)
• - 出力重量比: 6.33 kW/kg (3.85 hp/lb)

その全長は4.2m、全幅1.2m、高さは1.3m、プロペラ直径は4.5m、乾燥重量は1650kgとなっており、これらの仕様はさまざまな航空機の設計要件に適応できるように考慮されています。

搭載機

D-27エンジンは以下の航空機に搭載されています:

• - An-70
• - A-42PE
• - An-180
• - Yak-44

D-27エンジンは、今後の航空機エンジン技術の発展に寄与することが期待されています。この技術が新たな航空機にどう活用されていくのか、今後の進展に注目が集まります。

参考文献

• - Forecast International

外部リンク: Progress, Motorsich

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