D-Formation

アルバム『D-Formation』の詳細

茅原実里の4枚目のオリジナルアルバム『D-Formation』は、2012年2月29日にGloryHeavenからリリースされました。前作『Sing All Love』から約2年ぶりの作品となり、9枚目のシングル「Freedom Dreamer」から13枚目の「TERMINATED」まで、シングルと新規収録曲が盛り込まれています。このアルバムのユニークな点は、リード曲の「Dream Wonder Formation」からタイトルが付けられていることで、「D」は「Dream」を示しています。

アルバムのコンセプトは「電脳アリス」とされ、キービジュアルでは茅原がアンドロイドに扮しています。テーマは「原点を超える原点」で、楽曲は1枚目のアルバム『Contact』に見られるデジタル感を強調したアプローチが基盤となっています。ジャケットデザインは様々な感情を表現することを意図し、青の衣装が印象的です。

新規楽曲の作詞や作曲には、既存曲の作家に加え、奥井雅美や石川智晶、I'veの作曲家たちが参加しており、これらの新しいコラボレーションが重要な特徴です。特に、I'veの高瀬一矢や中沢伴行が参加したことで、茅原は驚きと喜びを感じたと語っています。このアルバムに収められた楽曲は、レコーディングのために北海道札幌市で行われ、特に高瀬と中沢との初めての共同作業となりました。

リリースの発表は、2011年11月のファンクラブイベントで行われ、アルバムはBlu-ray Disc付き、DVD付き、通常盤の3種がリリースされました。限定盤には初のアコースティックライブ映像が収録されており、特に特別感を醸し出しています。特にリード曲「Dream Wonder Formation」に関するPVは、年末のライブイベントで初公開され、多くのファンに注目されました。さらに、アルバムのミニライブイベントが発売日当日に行われ、トークや演奏でファンと直接交流しました。

アルバムはオリコンデイリーチャートで一時2位を獲得し、3位にもなりましたが、初動売上は1.5万枚と前作からの減少が見られました。しかしそれでも、自身の既存の作品の中でオリコン週間チャートでの最高順位を記録しました。この成功は、茅原実里にとって大きなマイルストーンとなり、音楽キャリアの中での新たな挑戦の証とも言えるでしょう。

また、アルバムの制作過程では、幅広い楽曲のスタイルが提示されており、これに関してCDジャーナルは「様々なテイストの楽曲が収録されている」と評価しました。特に「この世界のモノでこの世界の者でない」の作詞を担当した石川智晶は、アルバム全体がしっかりとしたコンセプトで結びついていることを称賛しました。

アルバムに収録された楽曲は多岐にわたり、デジタルビートに乗ったトランスやロック、エモーショナルなバラードなど、聴く人を魅了する要素に満ちています。アコースティックライブを経て、多様な表現方法が進化し、茅原の音楽に新しい風が加わったことが伺えます。これら全ての要素が融合し、アルバム『D-Formation』はただの音楽作品を超えた、茅原実里の想いが詰まった集大成となっています。

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