DDCD

DDCD（Double Density CD）とは、従来のCDの約2倍にあたる1.3GBのデータ容量を持つ光ディスクのことです。ソニーによって2000年7月に規格が発表され、規格書は「Purple Book」として知られています。

仕様

DDCDは、CDの記録密度を高めることで大容量化を実現しています。具体的には、CDの最小ピット長0.833μm、トラックピッチ1.6μm幅に対し、DDCDでは最小ピット長を0.623μm、トラックピッチを1.1μm幅にそれぞれ短縮しました。これにより、ディスクに記録できるデータ容量を大幅に増やしています。また、線速度もCDの1.2〜1.4m/sから0.9m/sに短縮されています。

DDCDの大きな特徴は、既存のCD製造技術や製造設備を流用できる点にありました。これにより、大容量の光学ディスクを比較的安価に製造できると期待されました。しかし、DDCDの読み書きには専用のドライブが必要であり、従来のCD-ROMドライブでは利用できません。CDと同様に、書き込み可能なDDCD-Rや書き換え可能なDDCD-RWも存在しました。

市場での反響と普及状況

DDCD製品が発売された2001年当時、既にDVD-RAMをはじめとする次世代バックアップメディアが登場していました。そのため、DDCDの容量面での優位性は高くありませんでした。しかし、メディアの価格が比較的安価であったため、次世代バックアップメディアの主流が定まるまでの過渡期には一定の需要が見込まれると評されました。

しかし、最終的には、従来のCD-R/RWドライブとの互換性がないこと、そしてより大容量のDVD-R/RWへの移行が進んだことにより、DDCDは市場に普及することはありませんでした。記録メディアの競争激化の中で、その役割を終えたと言えるでしょう。

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