DEBF3

アルバム『DEBF3』: 小室哲哉の音楽的冒険

小室哲哉のオリジナルソロアルバム『DEBF3 (Digitalian is eating breakfast 3)』は、2013年3月6日にリリースされました。このアルバムは、小室の名を冠した「Digitalian is eating breakfast」シリーズの第3作目であり、前作から約2年ぶりの新作となります。アルバムのタイトルは『Digitalian is eating breakfast 3』のイニシャルを取ったもので、略称として『DEBF3』が用いられています。次回作に関しては、より短いタイトルを予定していると小室は語っていますが、実際には『TETSUYA KOMURO EDM TOKYO』という名称になっています。

制作の背景と特徴

本作は、EDM（エレクトロニック・ダンス・ミュージック）を基盤にし、特に小室の音楽性に合ったスタイルで制作されましたが、一般的なダブステップやプログレッシブ・ハウスなどの流行にあまり倣っていないのが特徴です。どのようにしてこのアルバムが完成したかというと、制作期間は約2ヶ月であり、小室は「このままあと2枚のアルバムも作れるくらい簡単に進んだ」と語っています。

一方で、プロデューサーには英国出身のニック・ウッドを起用しました。小室は、他のプロデューサーの視点が必要だと感じ、自身のアイディアだけでなく、外部の視点からも導かれることを重視しました。このようにして、ニック・ウッドが加わったことで、アルバム全体が新しい息吹を得ることになりました。

収録内容とコラボレーション

『DEBF3』は、ボーカリストをフィーチャーした楽曲から成る2枚組のアルバムです。1枚目には、全曲ボーカルがフィーチャーされており、これまでのように小室自身が歌う曲は収録されていません。このアルバムは、数名のスタッフと直接面会しながら制作されたものでもありますが、ほとんどのコミュニケーションはSkypeを通じて行われました。

収録曲には、フジテレビの『みんなのKEIBA』テーマソング「Now1」や、先行配信された「WATCH the MUSIC feat. Capitol A, Alain Clark」などがあります。また、iTunes Storeの予約購入者には特典曲「Jerusalem feat. eli walks」が収録されており、この曲のアレンジを手掛けたのは新鋭アーティストのeli walksです。

アルバムに収録されている楽曲は、様々なジャンルやスタイルが詰め込まれており、特に注目すべきは「Don't Stop Us Dancing feat. IAMX」や「Human Illumination feat. Silvio Anastacio」など、ゲストボーカリストとの共演が楽しめる点です。IAMXは元Sneaker Pimpsのメンバーであり、アムステルダムでレコーディングされたボーカルが印象的です。

音楽スタイルと制作のこだわり

本アルバムは、エレクトロニック音楽の枠を越えた楽曲が特徴です。特に小室は「EDMは電子楽器だけではない」とし、アコースティック楽器との融合を試みています。これは、タブラ奏者U-zhaanとのコラボレーションに見られ、インドのバングラ音楽を取り入れた「Golden Highway feat. Miss Pooja, u-zhaan」に表れています。

音楽に対する小室の熱意や挑戦が詰まった『DEBF3』は、リスナーに新たな音楽体験を提供する作品となっています。彼の音楽的冒険は、今後も私たちに多くの感動を与えてくれることでしょう。

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