DFS 228 (航空機)

DFS 228: 高高度偵察機の設計とその特異性

DFS 228は、第二次世界大戦中にドイツ滑空機研究所（DFS）が開発したロケット動力による高高度偵察機であり、特徴的な設計と開発過程を持っています。戦争の終息までに実際に浮かんだ機体は2機のみで、主に試作機が行われました。

設計の発端と開発経緯

DFS 228の開発は、戦争勃発以前のグライダーに関する実験機DFS 54から始まりました。本来、この概要は高高度脱出システムの開発を目指していましたが、戦争の影響で一時的に中止されることとなります。しかし、1940年にドイツ航空省（RLM）がロケット動力の偵察機の設計指示を出したため、プロジェクトは再び活を得ました。グライダーによる偵察の利点としては、静かな飛行と低速での高精度の写真撮影が挙げられます。これにより、重要エリア上空での長時間の滞空が可能となり、侍従任務に適した機体を求める動きが強まりました。

この設計プロジェクトは、DFSにとって主翼後退角や超音速飛行という興味のある分野についての研究を進める機会を提供することになったのです。デザインはフェリックス・クラヒトによって進められました。

試作機の特徴

最初の試作機DFS 228は1944年3月に完成し、同年の8月にはドルニエ Do 217の背面に取り付けられて滑空試験が行われました。機体の設計は、従来のグライダー形式を踏襲し、長い翼と引き込み式のスキッド付降着装置を備えていました。機首部分には緊急時に分離可能な仕組みが設けられており、パイロット用の与圧脱出カプセルとして機能しました。しかし、与圧機構の故障により、試作2号機ではパイロットが儀式的に伏臥姿勢での搭乗を余儀なくされたというエピソードもあります。

試作機では、約40回の飛行試験が実施されましたが、1945年の初めにヴァルターHWK 109-509ロケットエンジンを搭載する計画は戦況の悪化に伴い中止されました。試作機の一つは1945年5月の空襲で破壊されましたが、初号機はアメリカ軍により奪取され、1946年にはイギリスに送られて調査及び研究が行われたそうです。最終的な運命については不明となっています。

派生型と要目

DFS 228にはいくつかの変種が存在します。例えば、DFS 54は高高度飛行のために与圧装置や酸素供給装置、暖房装置、断熱材を使用したキャビンを備えた試験用グライダーです。一方、DFS 228はその特異性から瓦特HWK 109-509ロケットエンジンを搭載しています。

以下はDFS 228の主な諸元です:

• - 乗員: 1名
• - 全長: 10.58 m
• - 翼幅: 17.56 m
• - 翼面積: 30 m²
• - 空虚重量: 1,650 kg
• - 運用時重量: 4,200 kg
• - 動力: HWK 109-509 液体燃料ロケット
• - 最大速度: 900 km/h
• - 航続距離: 最大1,050 km
• - 実用上昇限度: 22,860 m

このように、DFS 228は戦時中の技術革新と、その特異な設計思想を反映した機体であり、航空機の歴史の一部として重要な位置を占めています。

関連項目

• - ロッキード U-2
• - ドイツの軍用機一覧
• - 第二次世界大戦時のドイツの軍用機一覧
• - ロケット飛行機の一覧

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