DHC

DHC株式会社

株式会社DHC（ディーエイチシー）は、東京都港区に本社を構える多国籍企業であり、化粧品、サプリメント（健康食品）、語学教材などを製造・販売している。1972年に吉田嘉明により創業され、当初は大学の研究機関を訪れる洋書の翻訳を行う中小企業としてスタートした。この企業名DHCは「大学翻訳センター」というフレーズの略であり、翻訳業務は今も展開されている。1975年には株式会社に組織を改め、さらなる成長を目指した。

事業の発展

1983年には通信販売を開始し、これを契機に基礎化粧品の販売を始める。主な製品には「DHCオリーブバージンオイル」や「DHC薬用ディープクレンジングオイル」があり、現在では健康食品に至って493品目を取り扱う日本の最大手企業へと成長を遂げた。DHCは消費者に対して手頃な価格で商品を提供することをモットーにしており、その実績は業界内での比較でも際立っている。

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オリックスとの提携

2022年11月にはオリックス株式会社がDHCの過半数以上の株式を取得することを発表し、2023年1月にDHCはオリックスの完全子会社となった。これにより、化粧品や健康食品の事業領域は維持されつつも、リゾートホテルや海洋深層水事業などは承継しない計画が発表された。これに伴い、吉田嘉明は代表取締役会長およびCEOを退任することになった。

企業の特徴

DHCは、商品の研究開発から製造、パッケージデザイン、販売促進、そして顧客サポートにまで至るプロセスを自主的に運営しており、「DHCを知り尽くすのはDHC」というポリシーを大切にしている。自社の従業員がほぼすべての業務を担うことで、シームレスな運営を実現している。

社会的問題とその対応

一方で、DHCは政治的な立場についても議論を呼んでおり、特に創業者の吉田嘉明による差別的な発言が注目を浴びている。2017年には沖縄の基地問題に関して「テロリスト」と表現するなど、社会的な反発が生じた。これに対し放送倫理・番組向上機構からの指摘も受け、企業としての社会的責任が問われる場面があった。

海外展開と新事業

DHCはグローバル市場でも影響力を持ち、DHC USAやDHC UKなど国際的なカンパニーも設立している。翻訳事業や医薬品、アパレルなど多岐にわたる事業を展開しており、特に最近では食品事業や環境に配慮した製品開発にも取り組んでいる。企業文化として、常に新しい挑戦を続けており、利用者のニーズに応える柔軟性を持っている。

将来展望

DHCの今後は、オリックスとの関係強化を背景に、さらなる国際展開や新製品の開発への期待が高まっている。一方で、政治的な課題に対しても配慮すべき時期に来ており、企業の姿勢が注視されている。DHCはこれからも、消費者と直接繋がるビジネスモデルを強化し、持続可能な成長を目指していくと見られている。

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