DIN 41612

DIN 41612は、ラックベースの電気システムにおいて、コネクタの標準規格として広く利用されています。異なるサプライヤの部品を組み合わせるオープンシステムでは、コネクタの標準化は相互運用性を保証する上で非常に重要です。

この規格のコネクタは、VMEバスでの利用が最もよく知られていますが、NuBusなど、他の多くのシステムでも採用されてきました。国際規格としては、IEC 60603-2（旧IEC 603-2）およびEN 60603-2として定義されています。

主な用途

DIN 41612コネクタは、以下のような様々なシステムで利用されています。

STEバス
Futurebus
VMEバス
マルチバスII
NuBus
VXIバス
ユーロカードTRAMマザーボード
Europe Card Bus

これらのシステムでは、19インチラックシャーシのバックプレーンに取り付けられたDIN 41612メスコネクタに、ユーロカードに取り付けられたDIN 41612オスコネクタを差し込んで使用するのが一般的です。

機械的な詳細

DIN 41612コネクタは、1列から3列の接点配列を持っています。各列はa, b, cとラベル付けされ、2列の場合はa+bまたはa+cの組み合わせとなります。各列には16または32の接点があり、コネクタ全体の接点数は16、32、48、64、96のいずれかになります。接点のピッチは0.1インチ（2.54mm）のグリッド状に配置されています。

挿抜力（コネクタの抜き差しに必要な力）には、3段階の耐久性グレードが設定されています。メスコネクタのピンは、バックプレーンへの熱衝撃を避けるため、圧入接続が用いられることが多く、はんだ付け接続は少ないです。

電気的な詳細

コネクタの公称性能は、ピン1本あたり電流容量2アンペア、動作電圧500ボルトとされています。ただし、これらの数値は、安全要件や環境条件によって低減されることがあります。コネクタの実際の使用環境に応じて、適切な定格を確認する必要があります。

パフォーマンスクラス

DIN 41612規格には、3つの異なるパフォーマンスクラス（またはレベル）が定義されています。これらのクラスは、コネクタの嵌合（挿入と取り外し）サイクルの耐久性を示しており、クラス1は500回、クラス2は400回、クラス3は50回の嵌合サイクルに適しています。実際にはより複雑な規定がありますが、ここでは基本的な性能クラスとして捉えてください。適切なクラスを選択することで、コネクタの信頼性と寿命を確保することができます。


DIN 41612規格は、様々な電気システムにおいて信頼性の高い接続を確保するための重要な標準です。この規格に従うことで、異なるメーカーの部品間での互換性と安定した動作が保証され、システムの設計と構築が円滑に進められます。

参考情報

* VME Bus Connector Mechanical Dimensions

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