DJプレミア

DJプレミア（DJ Premier、本名: Christopher Martin、1966年3月21日 - ）は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身のDJ、ミュージシャン、音楽プロデューサーです。通称プリモ（Preemo）として知られ、ヒップホップ・デュオ、ギャング・スターの一員として活躍しました。彼はアメリカのヒップホップ界を代表するプロデューサーの一人として、その名を確立しています。

初期の活動

高校卒業後、DJプレミアはテキサス州ヒューストンにあるプレイリービューA&M大学に進学し、コンピューターサイエンスを専攻しました。大学寮でクラスメイトが所有していたターンテーブル（Technics SL-1200）を借りてDJの技術を磨き始め、自身のファーストネームの頭文字から「Waxmaster C」と名乗るようになりました。

その後、「Inner Circle Posse」という音楽グループを結成し、レコード会社のWild Pitchにデモテープを送りました。このデモテープを聴いたグールー（当時DJマーク・ザ・45キングとギャング・スターを組んでいたMC）は、彼の才能に感銘を受け、ニューヨークに呼び寄せ、ギャング・スターの正式メンバーとして迎え入れました。テキサスからレンタカーのトラックにレコードを詰め込み、グールーのアパートに移住した際、足の踏み場もないほどのレコードを持ち込んだと言われています。Wild Pitchの社長からのアドバイスで、より覚えやすい「DJプレミア」に名前を変更しました。1989年には、ギャング・スターとしてデビュー・アルバム『ノー・モア・ミスター・ナイス・ガイ』を発表しました。

グールーは当時を振り返り、「普段はデモテープなど聴かないし、テキサスの無名の奴らには興味がない。しかし、あの時は何かに突き動かされた」と、運命的な出会いについて語っています。

1990年代の活躍

1990年代、DJプレミアはサンプリングした素材を細かく切り刻み、再構築する「チョップ（Chop）」という技法を開発しました。この革新的な手法は、ギャング・スターの音楽制作に大きく貢献し、ジェルー・ザ・ダメイジャ、グループホーム、M.O.P.、ジェイ・Z、Big-L、ノトーリアス・B.I.G.、ナズ、バックショット・ルフンクなど、数多くのアーティストの楽曲を手がけ、ヒップホップ界に一大旋風を巻き起こしました。

2000年代以降の活動

2000年代に入ってからも、DJプレミアはギャング・スターとしての活動に加え、クリスティーナ・アギレラ、アフー・ラ、ロイス・ダ・ファイブ・ナイン、テフロンなど、メインストリームからアンダーグラウンドまで幅広いアーティストのプロデュースを手がけました。また、自身のレーベル「Year Round Records」を設立し、長年の夢であったレコードレーベルを持つことを実現しました。DJプレミアが手がけた楽曲は、リミックスを含めると500曲以上に及ぶと言われています。

ライブパフォーマンスでは、原曲を生かしつつ、高度なスクラッチ技術を披露し、観客を魅了しています。

ディスコグラフィー

DJ Premier Presents Get Used To Us (2010年)
コレクション - Kolexxxion (2012年) ※with バンピーナックルズ
PRhyme (2014年) ※with ロイス・ダ・ファイブ・ナイン
PRhyme 2 (2018年) ※with ロイス・ダ・ファイブ・ナイン

日本での公演

2007年：「DJ PREMIER JAPAN TOUR '07」
2010年：「Manhattan Records 30th Anniversary exclusive event DJ Premier VS Pete Rock - A Legendary DJ Battle」（ピート・ロックとの対決形式）
2015年：「DJプレミア with LIVE BAND plays HIPHOP CLASSICS」（初のバンドセットでのライブ）
2016年：「DJプレミア with SPECIAL BAND featuring Brady Watt, Lenny Reece,Torii Wolf, Mark Williams, Jonathan Powell 」（バンドセットでのライブ）、「MTV presents SOUL CAMP」（音楽フェス）

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