DOS/V

DOS/Vの概要

概要

DOS/V（ドスブイ）は、1990年に日本IBMが発表したオペレーティングシステムで、パーソナルコンピュータにおける日本語表示を実現したものです。当初はVGAグラフィックモードを使用し、専用の日本語ハードウェアを必要とせずに日本語を表示可能にしました。この技術革新により、日本国内でPC/AT互換機|PC_AT互換機の普及が加速し、一般的な呼称として「DOS/V」という言葉も根付くようになりました。

DOS/Vの名称の由来

「DOS/V」という名称は、当初「VGA対応のDOS」を意味していましたが、後に「可変（Variable）」の意味も含まれるようになり、次第に日本でのPC/AT互換機|PC_AT互換機を指す一般的な呼称となりました。最初の製品名は「IBM DOS J4.0/V」であり、当時のユーザーコミュニティやパソコン通信を通じて、「DOS/V」という名称が広がりを見せました。

DOS/Vの登場前の状況

1990年以前、日本では色々な企業が独自のパーソナルコンピュータを企画・販売し、NECのPC-9800シリーズが市場を支配していました。これにより、同じインテルのx86系CPUを搭載しているにもかかわらず、製品間の互換性が欠如するという状況が続きました。日本国内市場は特に日本語の壁に阻まれており、海外製品が参入することが難しい状況でした。

DOS/Vの開発経緯

1980年代を通じて、日本IBMはさまざまなパソコンを開発していましたが、PC/AT互換機|PC_AT互換機とは互換性のない独自規格を採用していました。1987年から、羽鳥正彦はIBMの日本でのパソコン戦略の一環として、DOS/Vの開発に取り組みました。1990年には日本IBMがDOS/Vの公式発表を行い、またマイクロソフト日本法人と提携し、DOS/Vのソースコードの配布契約を結びました。

DOS/Vの登場と影響

1990年、DOS/Vが登場したことで、日本語表示を可能にしたPC/AT互換機|PC_AT互換機が市場に普及し始めました。その後、マイクロソフトをはじめとする他の企業もDOS/V互換製品を展開し、さまざまな周辺機器がDOS/Vに対応する形で開発されていきました。この結果、市場には多様なDOS/V機が登場し、ユーザーに幅広い選択肢を提供することが可能となりました。

DOS/Vの成功要因

DOS/Vの成功の背後には、海外との価格競争、スピード感のある技術の進展、そしてオープンな開発姿勢がありました。特に、日本IBMが他社と協力してDOS/Vを広めていったことが重要な要因となりました。

その後の展開と現状

DOS/Vはその後、Windowsの普及によって徐々に姿を消していきましたが、その精神や影響を感じさせる痕跡は現在も残っています。具体的には、日本語表示の技術や周辺機器の互換性がその後の製品に引き継がれており、今日でもその影響を受けている業界は多いです。特に、近年では自作PC市場や海外製品におけるDOS/V関連の取扱いが見受けられます。

まとめ

DOS/Vは日本のパーソナルコンピュータの歴史において、非常に重要な要素の一つであったことは間違いありません。その登場によって、パソコンにおける国際化と多様化が進み、日本語とコンピュータを繋げる大きな一歩となったのです。その後も、日本国内でのコンピュータ業界の発展に寄与し続けたDOS/Vの存在は、多くの人々に記憶されることとなりました。

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