DOWN BY THE MAINSTREET

浜田省吾の9枚目のアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』（1984年10月21日発売）は、彼の音楽キャリアにおいて重要な作品です。当初は邦題として『メインストリート』とカタカナ表記されていましたが、1999年以降は英語表記に統一されています。

制作背景

本作は、浜田省吾がホリプロから独立し、個人事務所『ロード&スカイ』を設立後、初めて制作したオリジナル・アルバムです。ライブで人気の高い「MONEY」と「HELLO ROCK&ROLL CITY」が収録されており、特に「HELLO ROCK&ROLL CITY」は、ライブ会場の都市名を歌詞に取り入れるスタイルが定番となっています。

浜田省吾自身が初めてプロデュースを手掛けたアルバムであり、楽曲について彼は「本来なら『生まれたところを遠く離れて』から『君が人生の時…』の時期に作りたかった」と語っています。アルバムの主人公は地方都市に暮らす10代の少年たちであり、浜田自身の青春時代の姿が投影されています。手書きイラストによるジャケットも、青春映画を彷彿とさせる仕上がりです。

再発盤

1999年にはリミックス、リマスタリングが施され再発されました。再発CDでは、ジャケットのイラストが変更されています。

記録

オリコンチャートでは、発売当時自己最高となる2位を記録しました。1996年時点での累計売上は、アナログ盤・CD・カセットを合わせて563,316枚となっています。

収録曲

LP盤
CD盤

楽曲解説

MONEY

シングル・カットはされていませんが、浜田省吾の楽曲の中でも広く知られています。拝金主義への批判を込め、「純白のメルセデス」や「ドン・ペリニヨン」といった言葉が登場します。当時、「ドン・ペリニヨンとは何か?」という質問が多かったそうです。

DADDY'S TOWN

浪人時代を過ごした広島県大竹市が舞台であると言われています。

DANCE (Album Version)

アルバムからの先行シングルとして発売され、オリコンチャート20位を記録しました。シングルとはバージョンが異なり、アレンジと歌詞が変更されています。シングル盤はデジタル・サウンドが強調されています。2020年には、両A面シングル「MIRROR/DANCE」としてリメイクされました。

SILENCE
EDGE OF THE KNIFE
MIRROR

30秒ほどのアカペラ・ソング。「DANCE」と同様に、2020年の両A面シングル「MIRROR/DANCE」でリメイクされました。

A THOUSAND NIGHTS
HELLO ROCK&ROLL CITY

ライブでの定番曲であり、歌詞のフレーズを会場の地名に置き換えて歌われます。ライブでは2番の歌詞は省略されます。

PAIN
MAINSTREET

実質的なタイトル・ナンバー。当初はアルバムのエンディングを「WALKING IN THE RAIN」にする案もありました。

参加ミュージシャン

(省略)


アルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』は、浜田省吾の音楽的なルーツと、彼自身の青春時代へのノスタルジーが込められた、ファン必聴の名盤と言えるでしょう。

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