DS文学全集

DS文学全集について

『DS文学全集』は、任天堂が2007年にリリースしたニンテンドーDSのソフトで、Touch! Generationsシリーズの一部です。このソフトでは、森鷗外や夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治など、日本の文学界で著名な作家たちの作品を楽しむことができます。特に青空文庫との提携によって、著作権が切れた日本文学の名作が収録されています。

収録作品と著作権

『DS文学全集』には、短編や長編を含む100タイトルが収録されています。ただし、著作権が残る作品は含まれておらず、たとえば谷崎潤一郎や川端康成の作品は収められていません。このため、作品の選定には一定の制約があるものの、広く知られた名作を手軽に楽しむことができるのが特徴です。さらに、JIS漢字に無い旧字や外字も表示できるため、文学をより深く味わえる作りになっています。

使用方法と機能

ユーザーはDS本体を横に持ちながら読書し、途中でしおりを挟むこともでき、自由に中断可能です。また、タッチペンを使ったページめくりや、BGMの設定も可能で、読書体験を豊かにしています。このように、他の関連ソフトである『DS電撃文庫』や『図書館DS』とは異なり、独自の使い勝手を提供しています。『DS文学全集』は、任天堂にとって初めての教育・データベースソフトでもあります。

Wi-Fiコネクション機能

このソフトには、ニンテンドーWi-Fiコネクションを利用した評価やレビュー機能もあります。本を読み終えた後に作品を10点満点で評価し、感想を選ぶことができ、他のユーザーと共有することもできます。評価が高い作品や感想別にランキングを見ることが可能でしたが、現在はWi-Fiコネクションのサービスが終了しているため、これらの機能は利用できません。

あらすじ機能

多忙な現代人に配慮し、『あらすじ』機能も搭載されています。読書時間が取れないユーザー向けに、全100冊のあらすじを簡潔に提供し、興味が湧いた作品には本文にスムーズに移動することができる設計です。この機能は、小川義男によって監修されています。

書き下ろし短編とダウンロード作品

このソフトでは、人気作家による書き下ろし短編小説も楽しめました。総合文芸誌ダ・ヴィンチが選出した作家たちが、近代文学の一作品を題材にして書いた短編が期間限定で配信されていましたが、こちらは今ではアンソロジー『文豪さんへ。近代文学トリビュートアンソロジー』に再収録されています。

さらに、他の作品として『ちょっとDS文学全集 世界の文学20』や『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』などもあり、それぞれの特色を持っています。特に『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』では、33作のハーレクイン作品が収められ、人物相関図や注釈、大人向けのコラムが付いています。

まとめ

『DS文学全集』は、日本の名作文学を手軽に楽しむために作られたソフトで、教育的な価値とユーザーの快適な読書体験を提供することを目的としています。しかし、リリースから時間が経過しているため、いくつかの関機能はサービス終了に伴い利用できなくなっています。それでもなお、文学の楽しさを味わえる一つの手段として、評価されています。

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