Da 47/32

Cannone da 47/32

Cannone da 47/32は、1935年にイタリア軍に導入されたオーストリア製の大砲で、特に歩兵部隊や山岳部隊での使用が考慮された武器です。この大砲は、オーストリアのベーラー社によって第一次世界大戦の経験を基に開発され、それに基づいてイタリアでライセンス生産が行われました。

開発の背景

第二次世界大戦前のイタリアは、他国に比べて重火器の開発が遅れていました。この状態を改善するため、イタリアはオーストリアから新型銃器の製造権を取得し、77mm砲などの高性能な武器の国産化を進めました。具体的には、1920年代後半からベーラー社が開発した47ミリ砲は、イタリアでもそのまま製造されることになりました。

構造とバリエーション

da 47/32にはMod.35とMod.39という2つのバージョンが存在します。Mod.35は主に山岳部隊向けに軽量化され、分解可能な三脚と馬による牽引が可能な開脚型砲架を持っています。一方、Mod.39は改良されたサスペンションを備え、機動性が向上しましたまた、空挺部隊用に軽量のマグネシウム合金ホイールを使用したバージョンも少数製造されました。

他国での運用

この砲は、イタリアだけでなく、オーストリア、オランダ、ソ連などでも運用されました。特にオーストリアの軍隊では、ドイツと合併後、4.7cm PAK 177(i)としても知られることになり、ドイツの山岳師団でも短期間使用されました。

性能と効果

Cannone da 47/32は、徹甲弾と榴弾を発射可能です。徹甲弾は最大で500メートル先の対象に対して43mmの貫通力を持ち、榴弾は約7000メートルの射程を持っていました。ただし、軽量の歩兵砲であるため、他の国家の対戦車砲と比較すると貫通力は劣っていましたが、榴弾の威力は比較的高く、敵の防御陣地に対しては効果的でした。

長所と短所

Cannone da 47/32の長所は、軽量で移動が容易な点にあります。特にパラシュートでの投下が可能であり、様々な作戦に対応できる汎用性も特徴です。対して短所としては、その一般的な特性故に、特定の用途においては性能が中途半端になりがちで、特に対戦車の場面では他の武器に劣ることが多く見受けられました。また、車輪の構造上、牽引時に失敗することもありました。

戦争中の使用とその後

第二次世界大戦において、da 47/32はイタリア軍に広く配備されましたが、イギリス軍をはじめとする連合軍の戦車に対して、その性能は全般に不足を感じさせるものでした。そのため、徹甲弾としての使用よりも歩兵砲としての運用が主流となりました。また、この砲はその後の戦車砲の基盤となり、自走砲や中戦車の主砲としても改良され続けられました。

技術的データ

• - 全長: 1.68 m
• - 口径: 47 mm
• - 重量: 280 kg
• - 初速: 徹甲弾630 m/sec、榴弾250 m/sec

使用弾薬

• - 徹甲弾（弾丸重量: 1.44 kg、貫通能力: 43 mm）
• - 榴弾（弾丸重量: 2.37 kg）
• - 特殊榴弾や対戦車用の弾薬もあり、様々な戦術に対応しました。

このように、Cannone da 47/32は多くの歴史的背景を持ち、さまざまな場面で使用された重要な火器です。

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