Damn Small Linux

Damn Small Linux（DSL）は、KNOPPIXをベースとした非常に軽量なLinuxディストリビューションです。その最大の特徴は、驚異的な小ささであり、わずか50MB程度のサイズで動作します。日本語版でも150MBを切るほどのコンパクトさを誇ります。この軽量性により、非常に古いパソコンやスペックの低い環境でも十分に利用できるのが魅力です。

概要

DSLは、大容量のKNOPPIXを極限まで縮小したディストリビューションとして開発されました。必要最低限の機能に絞り込むことで、このような軽量化を実現しています。最低16MBのメモリがあれば起動可能で、64MB程度のメモリがあれば快適に動作するとされています。また、単なるHDDの救済用ディストリビューションではなく、基本的なデスクトップ環境と必要な機能が一通り揃っている点も特徴です。これにより、古いPCを再利用するだけでなく、様々な用途に活用できる実用性を備えています。バージョン3まではウィンドウマネージャとしてFluxboxが採用されていましたが、バージョン4以降はJWMに変更されました。

DSL-N

DSLには、DSL-Nという亜種も存在します。開発者自身が「DSL-NはDSLではない」と述べているように、いくつかの点でDSLとは異なります。主な違いとしては、カーネルが2.4系から2.6系に変更されたこと、サイズが80MB程度に増加したこと、そしてより多くのソフトウェアが搭載されていることが挙げられます。ソフトウェアの増量により、機能は向上しましたが、その反面、DSLよりも若干動作が重くなっています。64MBのメモリでは少し動作が厳しい場合があるため、スワップ領域の使用や96MB以上のメモリを搭載した環境での利用が推奨されます。

その他の情報

DSLは、その軽量性から、Linuxディストリビューションの比較や、Linuxライブディストリビューションの比較において、必ずと言っていいほど取り上げられる存在です。また、Damn Small Linuxの開発者が中心となって開発を進めているTiny Core Linuxも、DSLの思想を受け継いだディストリビューションとして知られています。同様に軽量なディストリビューションとしては、Slitazなども有名です。

外部リンク

• - Damn Small Linux公式サイト（英語）
• - DSL-Nについて(英語)

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