DataPlay

DataPlay（データプレイ）は、アメリカのデータプレイ社によって開発された光ディスクの一種です。その最大の特徴は、直径3.2cmという非常にコンパクトなサイズにあります。これは、日本の五百円硬貨とほぼ同じ大きさであり、従来の光ディスクと比較して大幅な小型化を実現しています。

容量については、片面で250MB、両面を使用すると最大で500MBのデータを記録できます。記録ディスクはカートリッジに収められており、ライトワンス方式を採用しているため、一度書き込んだデータは消去できません。この点は、CD-Rと同様の仕様です。一般的なCDは直径12cmで700MBの容量を持つことを考えると、DataPlayは小型化によって容量は減少したものの、その差はそれほど大きくありませんでした。

さらに、DataPlayメディアは1枚あたり5〜10ドル程度と比較的安価であったため、発表当初はモバイル機器向けの光ディスクメディアとして大きな注目を集めました。コンパクトなサイズと手頃な価格から、様々なコンテンツを1枚のメディアに収録したり、コンテンツを記録済みの領域とユーザーが記録できる領域を混在させることが可能でした。また、暗号化による著作権保護機能も搭載されていたため、音楽業界からも期待されました。

2002年には、DataPlayに対応したアルバムや再生機器（プレイヤー）が販売されると報道され、市場での普及が期待されました。しかし、米データプレイ社の資金繰りが次第に悪化し、追加融資の確保にも失敗したため、2002年10月30日には事業停止が発表されました。そのため、DataPlayは広く普及することなく、市場から姿を消すことになりました。日本国内では、東芝と共同出資によって設立された日本データプレイが2000年9月末に設立され、2001年からDataPlayのマーケティングや販売活動を行っていましたが、親会社の事業停止を受けて、日本データプレイのウェブサイトも2003年以降は確認できなくなっています。

DataPlayは、そのコンパクトなサイズと機能性から、発表当初は次世代のモバイルメディアとしての期待を集めましたが、その短い寿命は、光ディスク市場の競争の激しさを物語る事例と言えるでしょう。

外部リンク

米データプレイ - ウェイバックマシン（2007年4月1日アーカイブ分）
超小型光ディスクが登場、容量は500MB - マイコミジャーナル 2000年10月19日 - ウェイバックマシン（2016年3月10日アーカイブ分）

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