Deepdene (書体)

ディープディーンとは

ディープディーン (Deepdene) は、フレデリック・ガウディによって1927年から1933年の間にデザインされたセリフ書体です。このフォントは、伝統的な「オールド・スタイル」のセリフフォントに分類され、ストロークや斜交軸の特徴があまり強調されていません。しかし、独特な点はその丸みを帯びたセリフと、ほとんど直立したイタリック体のデザインです。

由来

ディープディーンの名は、ガウディの自宅があったマールボロ＝オン＝ハドソンにちなんで名付けられました。この自宅の名前自体も、ガウディがニューヨークのクイーンズに住んでいた時の街路名に由来しています。

人気の背景

ディープディーンはアメリカのランストン・モノタイプ・カンパニーによって発表され、初登場から多くの支持を受けました。特に、書籍の本文フォントとして好まれることが多く、現在でも多くの場面で使用されています。デジタル化されたバージョンも複数存在し、現代のデザインに適した形で利用されています。

デザインの特徴

書体デザインの背景として、ガウディは自身のデザインが「紹介されたばかりのオランダの書体」にインスパイアされたと述べています。友人のポール・ベネットの意見によると、これはヤン・ファン・クリンペンのルテティア(Lutetia)に関連していると言われていますが、確証はありません。ガウディはその後も、ボールド体やボールド・イタリック体など中程度の字の太さの書体も手掛けました。

評価

ガウディの伝記を執筆したD・J・R・ブルックナーは、ディープディーンを「ガウディの特徴がほとんど全て盛り込まれた最良のデザイン」と称賛しています。また、ガウディはディープディーン・テキストを基に、ディープディーン・オープン・テキストというブラックレターのデザインも生み出しましたが、これらは特に密接な関係にはありません。

実際の活字

ディープディーンは以下のような様々な活字が制作されています：

• - ディープディーン (Deepdene)：1927年にコンチネンタルが鋳造し、後にランストン・モノタイプが再製作しました。
• - ディープディーン・イタリック (Deepdene Italic)：1929年にガウディの妻バーサが母型を製作しました。
• - ディープディーン・ミディアム (Deepdene Medium)：1931年にデザインされましたが、実際には鋳造されなかったとされています。
• - ディープディーン・ボールド (Deepdene Bold)、ディープディーン・ボールド・イタリック (Bold Italic)：1933年から1934年にかけて制作されました。

デジタル化の取り組み

近年、ディープディーンは複数の組織やソフトウェア会社によってデジタルフォントへと移行され、多様なバージョンがリリースされています。それぞれのデジタル化には独自の特徴があります。
P22社によるデジタル版は、イタリック体に特徴的な縮れたような丸みやスモールキャピタルが採用され、珍しいスタイルが特徴です。また、オープンソースの「リーグ・オブ・ムーバブル・タイプ」プロジェクトも、バリー・シュワルツによって作成されたデジタル版を提供しています。これは通常の書体に加え、イタリック体にスウォッシュが施された形で公開されています。太字についてはデジタル版には含まれていません。

まとめ

ディープディーンは、独特なスタイルと長い歴史を持つセリフ書体です。ガウディのデザインは、今もなお多くのデザイナーや印刷物で愛用され続けています。これにより、彼の作品がどのように現代のデザインに影響を与え続けているかを示す良い例となっています。

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