DigiByte

DigiByte（デジバイト）とは

DigiByte（DGB）は、ビットコインと同様のオープンソースのピアツーピアプロトコルで動作する暗号資産です。高度な分散型ネットワークと高速なトランザクションを特徴としており、セキュリティと効率性を重視した設計がなされています。

概要

DigiByteは、Jared Tate氏らによって開発されました。プロジェクトの目標は、広範で非中央集権的なシステムを通じて、高速かつ安全な暗号資産を提供することです。総発行枚数は210億DGBで、21年かけて採掘される予定です。PoW（プルーフ・オブ・ワーク）システムを採用し、マイニングによって新しいコインが生成されます。コミュニティは、PoWとUTXOを採用した暗号通貨の中で、最長のブロックチェーンを持ち、ビットコインの40倍の速度でトランザクションが処理されると主張しています。

DigiByteの技術的な特徴として、SegWit、MultiAlgo、DigiSpeedなどが挙げられます。これらの技術は、高度な分散化と高速なトランザクションを可能にします。また、IoTデバイスや人工知能との統合など、先進的なアイデアも提案されています。

沿革

2013年
10月：Jared Tate氏らのチームがDigiByteの開発を開始。
2014年
1月10日：単一アルゴリズムのPoWアルゴリズムがローンチ。ジェネシスブロックには、USAトゥデイの記事見出し「Target: Data stolen from up to 110M customers」が使用され、セキュリティへの注意を喚起。ICOは実施せず、0.5％のプレマインが行われ、一部は掲示板で配布、残りは開発者やスタッフに割り当て。
2月28日：DigiShieldのハードフォークが行われ、マルチプールと51%攻撃への耐性が向上。このDifficulty調整アルゴリズムは、後に他のアルトコインにも採用。
9月1日：MultiAlgoのハードフォークが行われ、scryptに加え、SHA256、Qubit、Groestl、Skeinの5つのアルゴリズムが採用。
12月10日：MultiShieldのハードフォークが行われ、DigiShieldを発展させた技術が導入。
2015年
12月4日：DigiSpeedのハードフォークが行われ、ブロックタイムが15秒に短縮。
2016年
3月: マイクロソフト社がDigiByteをAzure blockchain-as-a-service（BaaS）に追加。
2017年
4月28日：SegWit（Segregated Witness）のソフトフォークが行われ、トランザクションの脆弱性やブロックサイズ制限問題を改善。
2018年
第3四半期：iOS/Android用ウォレットを正式リリース。
2019年
第2四半期：DigiAssetsが稼働し、資産、トークン、スマートコントラクトなどをブロックチェーン上に記載・発行が可能に。

技術的特徴

DigiByteのマイニングとトランザクションの基本ソフトウェアは、Bitcoin Coreのソースコードをベースにしています。一部のソースコードは他の暗号資産からマージされています。デスクトップウォレットのGUIはQtフレームワークで開発されています。

MultiAlgo

2014年9月のハードフォークで導入されたマイニングアルゴリズムです。それまではscryptのみが使用されていましたが、MultiAlgoでは、Scrypt、SHA-256、Qubit、Skein、Groestlの5つのアルゴリズムを採用し、分散化を強化。51％攻撃への耐性を高めました。各アルゴリズムは15秒ごとに順番に使用され、75秒で一周します。MultiAlgo自体はDigiByteチームのオリジナルではなく、Myriadcoinのソースコードを部分的に流用したものです。

DigiShield

DigiShieldは、DigiByteチームが独自に開発したDifficulty調整アルゴリズムです。このアルゴリズムは、ブロック生成時間を一定に保つためにマイニング難易度を調整します。DigiShieldは、ハッシュレートの安定化を目的としており、ブロックごとにDifficultyを調整することで、マルチプールの影響を受けにくくしています。KGW（Kimoto Gravity Well）と同様にブロック毎に調整を行いますが、DigiShieldでは、直前のブロックの難易度と生成時間に基づいて次の難易度を決定します。この迅速な調整能力により、ハッシュレートの変動に柔軟に対応できます。DigiShieldの技術は、多くのアルトコインに採用されました。

DigiSpeed

DigiSpeedは、ブロック生成時間を30秒から15秒に短縮する技術です。ブロックサイズを1MBから10MBに拡大し、Microsoft Researchのブロック伝搬のソースコードを取り入れることで、ネットワーク効率が大幅に向上しました。MultiShieldの改良も同時に行われ、51%攻撃への耐性が向上し、高速なトランザクションと高いセキュリティを両立させています。現在、51％攻撃を行うには、5つのアルゴリズムのうち1つで90％以上、残りの4つで51％以上のハッシュパワーが必要とされています。

参考文献

DigiByte 公式サイト (英語)
デジバイト 日本コミュニティ

外部リンク

DigiByte （英語）
デジバイト 日本コミュニティ
DigiByte (@DigiByteCoin) - X（旧Twitter） （英語）
* DigiByte Japan (@dgbjapan) - X（旧Twitter）

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