Digitalian is eating breakfast 2

『Digitalian is eating breakfast 2』の概要

小室哲哉が2011年5月4日にリリースしたアルバム『Digitalian is eating breakfast 2』は、彼のソロアルバムとしては第2作目にあたります。この音楽作品は、J-POPの新たな立ち位置についての彼の考えを示すものであり、アルバム制作の背景には、東日本大震災の影響による発売延期がありました。

当初は2011年3月23日が発売予定日でしたが、配送の混乱を避けるため急遽5月4日に変更され、CDケースには旧日付が印刷されています。また、今回のアルバムではYAMAHAの機材はほとんど使用されず、ドイツやスウェーデンのシンセサイザーがメインとなっている点も特徴的です。

本作はオリコンで9位にランクインし、小室名義の作品としては18年半ぶりにトップ10入りを果たしました。さらにはiTunes Storeでも最高2位を記録するなど、広がりを見せています。さらに、2012年にはリミックスアルバム『Digitalian is remixing』も発表され、盛り上がりを見せました。

収録曲の詳細

1. Vienna feat. Miu Sakamoto & KREVA

この曲はコラボレーションを強調しており、KREVAとの化学反応を楽しむことができます。坂本美雨も若い頃から小室の音楽に触れていたファンであり、彼女の参加は自然な流れで決まりました。

2. Go Crazy feat. Krayzie Bone & K-C-O

過去に発表された曲を基にアレンジが施され、Krayzie Boneのラップを交え、独自の進化を遂げています。本作品の中で最も古い形であり、小室のLA滞在中に生まれたトラックが元になっています。

3. 奇跡 feat. Zeebra

国際的なラッパーであるZeebraとの共演を果たし、刺激的なサウンドが展開されます。小室は彼を日本を代表するラッパーとして考えていたことが伺えます。

4. ほほえみのちから

この曲は初回限定版にだけ収録された特別なトラックで、東京ドームでのプロジェクトバージョンが基になっています。

5. Years Later feat. VERBAL

VERBALとのコラボによるこの曲は、オリジナルの楽曲を新たな視点でアレンジした作品で、リズムに乗ったトランシーなビートが印象的です。

6. Free My Mind feat. Mitsuhiro Hidaka(AAA) a.k.a. SKY-HI

初めはインストとして作られる予定でしたが、日高からの要望でラップが加わりました。小室のボコーダー部分も印象的です。

7. L.W.R feat. Misako Uno, Naoya Urata(AAA) & Wataru Yoshida

小室の友人であるスティーヴィー・サラスがギターを担当。このトラックにはビートルズの楽曲へのリスペクトが込められています。

8. Reality feat. Nipsey Hussle

2007年にレコーディングされたこの曲は、オリジナルを更新し新しい形で落とし込まれたものです。

9. Extreme

この曲はアルバム内で唯一のインストトラックとして位置付けられています。

10. Carry On

小室みつ子の詩が含まれたこの曲では、彼の多重コーラスが魅力的に響きます。

11. Ayrton feat. Naoya Urata(AAA)

高速で感動的なシンセパッド音を用いたこの曲は、F1レーサーのアイルトン・セナに捧げられたものです。

12. THX A LOT (Album Version) / a-nation's party

小室が手掛けたこの楽曲は、a-nationのテーマソングとして多くの期待感を集めました。

使用機材

このアルバムでは、RolandやAccess、Oberheimなどの高品質な楽器が使用されており、多様なサウンドが実現されています。特に、Virus KC KeyboardやV-Synth GTなどのシンセサイザーが、独特の音色を生み出しています。

まとめ

『Digitalian is eating breakfast 2』は、小室哲哉の音楽的探求を示す意欲作であり、多彩なアーティストとのコラボレーションや独創的なサウンドが魅力です。J-POPの未来を感じさせるこのアルバムは、彼の音楽活動の新たな扉を開くものとなりました。

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