DiscJuggler

DiscJuggler（ディスクジャグラー）は、かつて米Padus社が開発・販売していたプロフェッショナル向けのライティングソフトウェアです。その特徴は、高度な機能と業務用途に特化した設計にありました。イメージファイルの拡張子には「cdi」が用いられ、最終バージョンは6.00.1400でした。2008年に提供を終了し、2010年にはサポートも完全に終了しています。

特徴

DiscJugglerは、一般的なライティングソフトウェアの機能に加え、以下のような独自の機能を備えていました。

同時書き込み: 同一の内容を複数のドライブに同時に書き込むことが可能で、デュプリケータ機器との連携により、大量の書き込み作業を自動化できました。
ネットワークドライブ書き込み: ネットワークで接続された別のマシンのドライブへの書き込みに対応しており、分散環境での利用を容易にしていました。

これらの高度な機能は、DiscJugglerが元々業務用製品として開発されたことに起因しています。一方で、DVDオーサリング機能や動画編集機能、パケットライト機能などは搭載されておらず、ホームユーザー向けの機能は不足していました。

日本国内での販売

日本国内では、初期のバージョン3までは法人向けに三井化学が「OmniRec」という名称で取り扱い、個人向けには三井化学からライセンスを取得したランドポートが販売していました。2002年10月4日に発売されたバージョン4.0からは、個人向けの販売元がライブドア傘下のプロジーに変更されました。2005年4月28日には、2重セクタディスクなどのコピーガード強化を特長とした日本独自のバージョン5.0がプロジーから発売されました（Padusから発売されたものはバージョン4.6の次がバージョン6となっており、バージョン5は存在しません）。

2006年にライブドアがソフトウェア事業を縮小したことに伴い、DiscJugglerに関する業務はソニック・ソルーションズに移管されました。しかし、その時点ですでに販売とサポートは終了しており、ソニック・ソルーションズからは過去のアップデータなどが公開されたのみで、現在はそれも終了しています。そのため、現在では日本国内での販売元は存在しません。

関連製品

DiscJugglerには、以下のような関連製品が存在しました。

DiscJuggler.NET: ネットワーク上のサーバに搭載された書き込みドライブを、複数のクライアントマシンで共有するための製品です。サーバ上のドライブに対するアクセス制御機能なども備えていました。
Padus Foundation Class: ライティングエンジンをライブラリとして独立させた製品です。ソフトウェアベンダーは、このライブラリを利用することで自社製品にライティング機能を容易に組み込むことができました。

また、Padus製のライティングエンジン（Pfc）は、多くのソフトウェアにも採用されていました。代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。

CyberLink PowerProducer
Inter Video WinDVD Creator
CDRWIN 5.0
[ACDSee]
Nvidia Purevideo Decoder
SimDisc
アーク情報システム CD革命/Virtual Pro(Ver.7以降)
SONIC MYDVD(Ver.4まで)
SONIC DVDit(Ver.2.5まで)
ソニー SimpleDVDMaker

DiscJugglerは、その高度な機能と信頼性から、プロフェッショナルな現場で広く利用されていましたが、提供とサポートの終了により、その歴史に幕を閉じました。しかし、その技術は他の多くのソフトウェアに引き継がれ、業界に大きな影響を与えました。

関連項目

プロジー
ライブドア
ソニック・ソルーションズ
ライティングソフトウェア

外部リンク

Padus,Inc（開発元）
製品情報
* ライブドア取り扱いソフトウェア業務移管に関するご案内（ソニック・ソルーションズ）

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