Dockコネクタ

Dockコネクタ：携帯機器を繋ぐ多様なインターフェース

Dockコネクタは、携帯型の電子機器を外部機器と接続するために使用される接続端子であり、多岐にわたる信号の入出力を可能にします。これにより、様々な外部機器との連携が容易になります。当初はノートパソコンを中心に利用されていましたが、現在では携帯メディアプレーヤーやデジタルカメラなど、幅広い携帯端末に採用されています。

多様なDockコネクタの規格

携帯メディアプレーヤーのコネクタ統一規格としては、米国家電協会がPDMI (Portable Digital Media Interface) を策定しましたが、実際には各社が独自のDockコネクタを開発し、それぞれの機器に最適化された機能を提供してきました。以下に、代表的なDockコネクタの例を挙げます。

Apple Dockコネクタ

Apple Dockコネクタは、iPhone、iPad、iPodシリーズに共通して採用されている30ピンコネクタです。日本航空電子工業のDD1という汎用コネクタが使用されていますが、機器によって微妙な差異が存在します。例えば、iPod shuffleには採用されておらず、iPadではUSBの給電規格から外れるため、使用しながらの充電ができない場合があります。

Apple Dockコネクタは、USB、FireWire、ステレオオーディオライン入出力、ビデオ出力（コンポジット、Sビデオ、コンポーネント）など、様々な信号に対応しています。ただし、機器の発売時期によって細かな仕様変更が行われており、注意が必要です。

Lightningへの移行

2012年秋以降に発売されたモデルでは、コネクタの形状が小型化された8ピンのLightningに切り替えられました。従来のDockコネクタも使用できるように、Lightning - 30ピンアダプタが発売されています。Lightningは基本的にデジタル情報のみを扱いますが、Apple純正のアダプタにはDACが内蔵されており、音声のアナログライン出力にも対応しています。

その他のDockコネクタ

COWON: iAudio M3、X5に搭載された22ピンコネクタ。
Creative: ZEN Visionシリーズに搭載された30ピンDockコネクタ（Apple Dockコネクタとは非互換）。
iriver: H10、H10jrに搭載された18ピン拡張端子。
Microsoft: Zuneシリーズに搭載された24ピンDockコネクタ。
Olympus: m:robeシリーズに搭載された18ピン拡張端子。
Panasonic: D-snap SV-SD800Nより搭載された24ピン拡張端子。
Philips: Gogear HDD1400などに搭載された30ピンドック端子（Apple Dockコネクタとは非互換）。
Rio: Rio Karmaに搭載されたクレードル端子。
Samsung: Galaxy Tabに搭載されたDockコネクタ（Apple Dockコネクタとは非互換）。
SanDisk: Sansa E200などに搭載された30ピンコネクタ（Apple Dockコネクタとは非互換）。
SONY: NW-A1000/3000に搭載された42ピン端子（後にWM-PORTに変更）。
tatung: Elio Photo Jukeboxに搭載された26ピンドック端子。
TOSHIBA: gigabeatシリーズに搭載された40ピンUSBクレードル端子。
Victor: alneo XA-HD500に搭載された端子（普及せず）。

デジタルカメラのDockコネクタ

* GoPro: Heroシリーズに搭載された30ピンコネクタ（Apple Dockコネクタとは非互換）。

まとめ

Dockコネクタは、携帯機器と外部機器を接続するための重要なインターフェースであり、各社が独自の技術を投入してきました。Apple Dockコネクタのように広く普及した規格もあれば、特定の機器に限定されたものもあり、その多様性が携帯機器の進化を支えてきたと言えるでしょう。

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