E-7 (航空機)

E-7 ウェッジテイル

E-7ウェッジテイルは、アメリカのボーイング社が設計・製造した早期警戒管制機（AEW&C）であり、主に航空戦における優位性を確保するために使用されます。元々はE-737と呼ばれていましたが、現在はE-7という名称で知られています。オーストラリア空軍が主に導入し、その特性を生かして友軍の指揮及び敵機の監視を行うために長時間滞空できる能力を持っています。

機体の特徴

E-7はボーイング737-700をベースに、ボーイング737-800の主翼や強化された安定板など改良が行われています。この機体はレーダーアンテナを搭載しており、広範囲にわたる空中監視と情報収集が可能です。機体のデザインにおいては、翼面積の増加により高高度巡航が可能で、航続距離も向上しています。また、主翼には民間モデルにはない燃料投棄システムも装備されています。

開発と運用の経緯

1990年代にオーストラリア空軍が早期警戒管制機の必要性を訴え、プログラムが始まりました。ボーイングはMESAレーダー技術を用いて入札し、1999年にプロジェクトが開始されました。最初の機体は2002年に製造され、2004年に初飛行に成功しましたが、製造に遅れが生じ、最終的には2009年にオーストラリア空軍に納入されました。

機内構造

E-7の機内は、操縦室、ミッションコントロール区画、乗員用の休息区画、電子機器区画に分かれています。操縦室では2名の操縦士がそれぞれの機器を操作し、ミッションオペレーターは10名まで搭乗可能で、警戒業務や指揮管制を行います。休息区画も設けられており、乗員が長時間の任務に対応できるようになっています。

装備と能力

E-7は、様々な電子機器を搭載しており、MESAレーダーによって目標を追尾する能力が強化されています。レーダーは広範囲をスキャンすることができ、同時に多くの目標を監視し、友敵識別を行うことが可能です。また、電子戦能力も持ち合わせており、自衛装置としてチャフ・フレアディスペンサーを装備しています。

最新の改良

最近ではオーストラリア空軍がE-7の機能向上を図るために改良を行っており、高度な戦闘識別センサーやデータリンクシステムの導入が計画されています。この改良により、機体の戦術能力がさらに強化される見込みです。

運用国

2022年の時点で、E-7はオーストラリア、トルコ、韓国、イギリスおよび北大西洋条約機構で活躍しており、今後もアメリカ空軍などの追加導入が予想されています。これらの国々は、E-7の能力を生かし、共同作戦を遂行することが期待されています。

E-7ウェッジテイルは、現代の航空戦において重要な役割を果たしており、今後もその技術的進化が続くでしょう。

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