E:HEV

e:HEV（イー エイチイーブイ）

本田技研工業が開発したe:HEVは、ストロングハイブリッドシステムであり、同社のプラグインハイブリッド車においても重要な役割を果たしています。また、このシステムは旧称の「SPORT HYBRID i-MMD」とも呼ばれ、これまでのHonda IMAシステムを代替する形で進化を遂げてきました。

概要

2013年1月、e:HEVはアメリカで発表され、9代目アコードをベースにしたハイブリッドカーに搭載されました。このシステムは、2基のモーターを組み合わせることで高いエネルギー効率を目指しており、特にミドルクラスの車両での搭載が進んでいます。その後、2020年には4代目フィットや2代目ヴェゼルへの導入が実現し、幅広い車両に展開されています。

2020年には、「e:HEV」という新しい名称が公式に採用され、これに伴いプラグインハイブリッドカーは「e:PHEV」、水素燃料電池車は「e:FCEV」と、名前の統一が図られました。これにより、消費者は本田技研が提供する各種ハイブリッド技術の理解が深まり、選びやすくなっています。

特徴

e:HEVは、先代のIMAシステムやSPORT HYBRID i-DCD|SPORT_HYBRID_i-DCDといった他のハイブリッドシステムと異なり、高速巡航時にエンジンによる駆動を行う構造となっています。この方式は複雑な多段トランスミッションを必要とせず、シリーズ型とパラレル型の長所を兼ね備えた低燃費ハイブリッドシステムを実現しています。

システムは、直列4気筒アトキンソンサイクルエンジンと2基のモーターで構成されています。通常、車輪の駆動はモーターが担当し、エンジンは発電専用として機能します。さらに、高速走行時には、エンジンが直接駆動軸に接続されることで効率的に走行が可能です。また、走行状況に応じてモードが自動で切り替わる点も大きな特徴です。

• - EVモード: バッテリーの電力だけで走行するモードです。このモードでは、走行用モーターがバッテリーの電力で動作します。
• - ハイブリッドモード: バッテリーが不足する際、エンジンを使って発電し、得られた電力でモーターを駆動します。この場合、余った電力はバッテリーに蓄えられます。
• - エンジンモード: 高速走行時にエンジンで直接タイヤを駆動するモードです。変速機構は持たず、駆動力が不足する場合はモーターがアシストします。

2023年に登場した11代目アコードでは、エンジンとモーターの配置を変更することで走行性能を向上させ、エンジンの低回転化を達成しています。このような進化により、e:HEVはさらに高い効率性と運動能力を兼ね備えたハイブリッドカーとなりました。

搭載車種

e:HEVは様々な車種に搭載されており、エンジン排気量に応じて2Lと1.5Lに分かれています。具体的な搭載車種は以下の通りです。

• - ステップワゴン（5,6代目）
• - フィット（4代目）
• - アコード（9,10,11代目）
• - インサイト（3代目）
• - CR-V（5,6代目）
• - オデッセイ（5代目）
• - ヴェゼル（2代目）
• - シビック（11代目）
• - ZR-V
• - シティ（7代目）
• - インスパイア（7代目・中国仕様） *
• - フリード（3代目）

このように、e:HEVは日常の移動をサポートし、環境への配慮と運転の楽しさを両立させた革新的なハイブリッドシステムとして、今後も多くの利用者に愛されることでしょう。

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