EA-18G (航空機)

EA-18G グラウラー

EA-18Gグラウラーは、アメリカ合衆国海軍のために設計された先進的な電子戦機です。本機は、F/A-18Fスーパーホーネットを基にしており、EA-6Bプラウラーの後継機として位置付けられています。ここでは、その開発経緯や機体仕様、採用国、性能について詳しく解説します。

開発経緯

2000年代初頭、アメリカ海軍は老朽化するEA-6Bプラウラーに代わる電子戦機の開発に着手しました。2001年にはF/A-18Fを使った初期の飛行デモが行われ、その後、2003年にはボーイング社に対して5年間のシステム設計および開発契約が締結されました。これにより、EA-18Gの開発が公式にスタートしました。

試作機は2006年に初飛行を果たし、同年内に試験が開始されました。量産機は2007年から引き渡され始め、電子戦機として本格的な運用が行われるようになりました。2009年には初期作戦能力を獲得し、2021年にはF/A-18FブロックIII相当への改修も始まっています。

機体構成

EA-18Gは、F/A-18Fを基にしたエアフレームを持ち、その内部にはEA-6B ICAPIIIを参考にした電子戦ミッションシステムが備わっています。主要な装備としては、AN/ALQ-218電波探知装置があり、これにより広範囲にわたる電子戦が可能です。

機体は、主翼のミサイルランチャーが受信アンテナポッドに置き換えられ、空中からの電子攻撃能力が強化されています。また、通信電子戦用のAN/ALQ-227も搭載されており、より多様な戦術に対応可能な設計となっています。

採用国と運用状況

アメリカ

アメリカ海軍は、EA-18Gを2006年以来、全114機を配備しています。これにより、各空母航空団に1つのVAQ（電子戦飛行隊）が組み込まれる計画です。EA-6Bの代替機として、海上作戦の電子攻撃能力を担っています。

オーストラリア

オーストラリア空軍もEA-18Gを導入しています。F-111Cの後継機として、最初のEA-18G初号機は2015年に初飛行し、2017年に全機がクイーンズランド州に配備されました。オーストラリアは電子戦能力の強化を図りつつ、アメリカからEA-18Gの追加購入も検討中です。

検討国

その他、日本やフィンランド、ドイツでもEA-18Gの導入に関する議論が進められています。特に、日本政府は電子戦機の導入を検討し、EA-18Gが候補に挙げられています。

性能諸元

全幅: 13.62m（主翼端ポッドを含む）/ 9.94m（主翼折り畳み時）
全長: 18.33m
最大離陸重量: 29,900kg
エンジン: ゼネラル・エレクトリック製F414-GE-400ターボファン × 2基
最大速度: マッハ1.6
乗員: 2名

EA-18Gはその性能と機能から、現代戦における電子戦の重要な役割を担っており、今後の発展も大いに期待されています。

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