クイーンズランド州

クイーンズランド州

クイーンズランド州（QLD）は、オーストラリア連邦の北東部に位置し、州都はブリスベンです。この州は、面積が172万7000平方キロメートルに及び、オーストラリアの州の中では西オーストラリア州に次いで2番目に大きいです。面積的にはオーストラリア全土の22.5%、日本の約5倍に相当します。人口は516万人（2021年国勢調査）で、オーストラリアでは3番目の規模を誇ります。

自然と産業

この州は豊かな天然資源に恵まれ、特に石炭の生産が盛んなことで知られています。その他にも、牛肉などの一次産品、観光業、教育産業が主要な経済の柱となっています。貿易相手国としては、日本が特に重要な地位を占めており、輸出入でともに上位にランクインしています。

1980年代後半から1990年代にかけて、日本からの投資が不動産や観光業に向けられ、多くの日本企業が現地での観光インフラの整備に寄与しました。その結果、2019年までは日本からの観光客が年間22万人を超えていました。

州内には、世界自然遺産に登録された地域が5か所あります。特に有名なのが、世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフです。また、1億3000万年前に遡るとされる世界最古の森や、世界最大の砂島であるフレーザー島、オーストラリア・ゴンドワナ多雨林などもここにあります。内陸部には化石が良好に保存された「リバースレー」と呼ばれる遺跡もあり、自然の驚異が多く存在する地域です。

歴史

クイーンズランドの歴史は、先住民の人々が5〜6万年前にこの地に渡ってきたことから始まります。氷河期の影響で、食糧の確保に困難を極めたため、種を挽く技術が発展しました。約1万5千年前には気温が上昇し、現在のクイーンズランド州内陸部にも人々が戻ってきましたが、人口は不明であるものの、先住民の部族は600〜700にのぼり、地域の人口密度は非常に高かったと推測されています。

クイーンズランド州はもともとニューサウスウェールズの一部でしたが、1824年にモアトン湾流刑植民地が設置され、1859年には独立した州として成立しました。20世紀中にはいくつかの重要な大学が設立され、観光や教育が発展していきました。特に第二次世界大戦中、州は日本の空襲を受けることもありましたが、その後の経済復興と発展が続きました。

地理と気候

州の地理は多様性に富んでおり、中央をグレートディヴァイディング山脈が南北に走っています。州の東海岸は太平洋に面し、北部には熱帯に属する湿潤地域が広がっています。また、内陸部や西部は乾燥した気候が支配しています。気候は熱帯性や亜熱帯性、乾燥帯など様々で、特に夏場は高温多湿となります。

人口と文化

2021年の国勢調査によると、クイーンズランド州の人口は515万6千138人です。住民の約半分が州都のブリスベンに居住しており、州の70%以上がサウス・イースト・クイーンズランド地域に住んでいます。また、クイーンズランドは国際的な移民を多く受け入れており、特にアジア諸国からの移住者が増加しています。州の人口の約28.9%が海外生まれで、多様な文化が形成されています。

結論

クイーンズランド州は、自然環境の多様さや豊富な先住民文化、経済活動の活発さにおいて特異な存在であり、教育や観光を通じて国際的な影響を持つ地域となっています。この州は、オーストラリアの中でも特に大きな潜在能力を秘めた地域であり、今後の発展が期待されています。

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