EC番号 (欧州共同体番号)

EC番号の概要

EC番号とは、欧州共同体（EC）が定めた化学物質の同定を行うための番号で、主にEINECS番号、ELINCS番号、NLP番号から構成されています。その範囲には、ECリスト番号を広義に含めることがあります。EC番号は、すべて「XXX-XXX-X」というフォーマットで表記され、化学物質の管理や特定において重要な役割を果たしています。

EINECS番号

EINECS番号は、European Inventory Of Existing Commercial Chemical Substancesの略称であり、既存の商業化学物質のデータベースを表しています。EINECS番号は「2XX-XXX-X」または「3XX-XXX-X」の形式を取り、特に200-001-8から始まる番号がその範疇に入ります。この番号は、商業目的で使用されている化学物質の特定に利用され、登録された物質の範囲を明確に示すものです。

ELINCS番号

ELINCS番号は、European List Of Notified Chemical Substancesを指し、通知された化学物質のリストを形成しています。その形式は「4XX-XXX-X」で、400-010-9からスタートします。ELINCS番号は新しく通知された化学物質の管理に用いられ、化学物質の安全管理や環境保護に貢献しています。

NLP番号

No Longer Polymers（NLP）番号は、ポリマーとして分類されなくなった物質のために設けられた番号です。この番号は「5XX-XXX-X」の形を持ち、特に500-001-0から始まります。この番号は、化学物質のポリマーとしての認識がなくなり、その他の物質カテゴリーに置き換えられた場合に使用されます。

ECリスト番号

ECリスト番号は、狭い意味ではEC番号と異なり、特定の化学物質の識別に用いられる番号です。形式は「6XX-XXX-X」「7XX-XXX-X」「8XX-XXX-X」「9XX-XXX-X」のいずれかであり、物質の特定に於いて重要です。同じEC番号でありながら、異なるEC番号を持つ物質が存在する場合、狭い意味でのEC番号ではなくECリスト番号が使用されることがあります。たとえば、CASRNとして「64742-95-6」が存在する場合、それに対するECリスト番号として「265-199-0」が関連付けられます。

チェックデジットの計算

EC番号にはチェックデジットが付加される規則があり、これは次の計算式に基づいて求められます。この計算により、番号が正確であるかどうか確認されます。

```
1N + 2N + 3N + 4N + 5N + 6N R
----- = Q +
11 11
```

この式は、単独の数値が複雑に絡むことにより、エラーが減少し、化学物質の特定がより正確に行えるようになります。

関連項目

• - 欧州REACH規則
• - CAS登録番号

EC番号は、欧州内で化学物質が適切に管理されることを保証するために重要な役割を果たしています。化学物質の安全性と環境への影響を軽減するための基盤であり、様々な立法と規制において重要です。また、これらの番号は化学業界だけでなく、研究や政策づくりにも活用されています。

もう一度検索