ECHOES

ECHOES - 辻仁成が紡ぐ音楽の歴史

ECHOES（エコーズ）は、日本のロックシーンにおいて重要な位置を占めていたバンドで、その活動は1981年に始まりました。主に作家として知られる辻仁成が中心となり、1985年にCBS・ソニー（現・ソニー・ミュージックレーベルズ）からデビューしました。バンドは7枚のオリジナルアルバムをリリースし、1991年に解散しましたが、その音楽の本質は今でも多くのファンの心に生き続けています。

活動初期と音楽スタイル

ECHOESは、当時の日本においては珍しい音楽スタイルを持っていました。U2やエコー&ザ・バニーメンなどのニューウェイヴの影響を受け、初期の楽曲は特にクールで洗練されたサウンドが特徴です。シニカルかつ散文詩的な歌詞には、「いじめ」や「家庭崩壊」、「子供たちのコミュニケーション不足」などといった重いテーマが盛り込まれていました。辻は後に、「楽曲の完成度とは別にオーディエンスとの一体感を得るには難があった」と述べており、音楽が持つ魅力について深く考察しています。後期の楽曲には熱いメッセージを持ったものも多く、バンドの進化を感じさせます。

解散と再結集

ECHOESのメンバーは辻とドラムの今川勉でスタートし、後にオーディションで新メンバーが加入しました。もともとはバンド名がQUARKでしたが、ライブ中にECHOESに変更され、音楽が水面に石を投げた時の波紋のように広がっていくことを願った意味が込められています。彼らはライブでのパフォーマンスと、辻が描く社会のすれ違いや恋愛をテーマにした歌詞によって、多くのファンの心をつかみました。

1989年にはシングル「ZOO」がヒットし、これがきっかけで再度マスコミに取り上げられ、3部作のアルバム『EGGS』が発表され、日本武道館ライブも成功を収めました。しかし、1991年には突然の解散を発表し、日比谷野外音楽堂で最後のライブを行いました。

その後、ECHOESは2000年にリバイバルヒットを果たし、同年12月28日には日本武道館で一夜限りの再結成ライブを成功させました。辻と伊藤浩樹のオリジナルメンバーが参加し、古き良き音楽が再び世に出ました。

東日本大震災後の復活

2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けてファンからの復活要望が高まり、2011年には福島市内でライブを行い、オリジナルメンバー全員によるフルステージを実現しました。この公演は、解散から20年ぶりのもので、当時の感動を再び呼び起こしました。その後も新曲をリリースしながら活動を続けています。

メンバーとその後

ECHOESの主要メンバーは次の通りです。

- 辻仁成（つじひとなり）: ボーカル、ギター。音楽と文学の両面で活動を続けている。
- 伊藤浩樹（いとうひろき）: ギター、コーラス。解散後も他のバンドでプロデューサーとして活躍。
- 今川勉（いまがわつとむ）: ドラム、コーラス。2020年に悼まれつつ惜しまれながらこの世を去った。
- 伊黒俊彦（いぐろとしひこ）: ベース、コーラス。解散後も写真活動を行う。

ECHOESは、辻仁成の感性を彩る音楽の歴史と、メンバーそれぞれの人生が交錯する深い物語を持っています。その音楽は今でも多くの人々に影響を与え続け、ロックの日本における重要な存在であり続けています。彼らの楽曲は、世代を超えて聴き継がれ、愛されています。彼らの歩みは決して忘れられることなく、音楽史に名を刻んでいます。

もう一度検索