EL DORADO (宝塚歌劇)

EL DORADO: 概要とあらすじ

1997年に宝塚歌劇団月組によって上演されたミュージカル『EL DORADO』（エル・ドラード）は、作・演出を谷正純が手掛けています。この作品は、大航海時代のスペインと新大陸を舞台に、主人公イグナシオが理想郷「エル・ドラード」を目指し、出会う人々との関わりを描いた物語です。また、真琴つばさの月組トップスター就任披露公演としても知られています。

上演日程と公演形式

本作は、1997年6月27日から8月4日まで宝塚大劇場で、さらには同年11月3日から11月27日まで東京宝塚劇場で上演されました。いずれの公演も「住友VISA30周年スペシャル」と「宝塚グランドロマン」冠で行われ、特に東京公演では、新設された宙組に伴う組替えの影響で配役や脚本が変更されました。

構成

作品は、第1部『コスタ・デル・ソル（太陽の海岸）に落ちた影』と、第2部『インティ（太陽神）に捧げられた愛』の二部構成で、合計35場から成り立っています。

あらすじ

物語の舞台は1530年頃のスペイン・グラナダです。イグナシオ・デ・ルシア大佐は、誤って総督の息子を刺殺してしまい、追われる身となります。彼は、争いと憎しみが介在しない理想の国「エル・ドラード」を目指し旅を続けます。旅の途中で出会ったレーニャという娘は、実は太陽神に仕える者であり、二人は許されぬ恋に落ちていきます。

主な登場人物

• - イグナシオ・デ・ルシア大佐: スペインの将校で、理想郷を求めて新大陸へと渡る。
• - レーニャ: エル・ドラードの神殿で太陽神に仕える乙女で、イグナシオと恋に落ちる。
• - ワルパ: エル・ドラードの若き皇帝。「太陽の子」と名乗る。
• - アロンソ: 軍人出身の船員で、イグナシオと対立する。
• - ラウラ: イグナシオの幼馴染で、彼に密かに恋をしている。
• - ドン・ラファエル・メンドーサ侯爵: 息子をイグナシオに殺された復讐を企てる。
• - ウルバンバ: スペインに連れてこられたインディオで、イグナシオをエル・ドラードに導く。

音楽と演出

音楽は吉崎憲治、長谷山太刀夫ほかが担当し、宝塚管弦楽団及び東京では東宝オーケストラによって演奏されました。振り付けや演出においては、羽山紀代美や植田景子などが携わり、作品を華麗に彩りました。

結論

『EL DORADO』は、ただのエンターテインメントではなく、人間の欲望、愛、そして理想を探し求める旅を描いた深いテーマを持つ作品です。観客に深い感動を与え、高い評価を受けたこのミュージカルは、今なお多くのファンの記憶に残り続けています。

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