EMD FP7形ディーゼル機関車

EMD FP7: 魅力的なディーゼル機関車の歴史

EMD FP7は1949年から1953年にかけて、ゼネラルモーターズのEMD部門で製造されたディーゼル機関車で、特に旅客輸送を目的に設計されています。F7のAユニットを基盤として、旅客車両に必要な特性を強化した魅力的なモデルです。この機関車は、カナダ向けの車両はGMD（ジーエム・ディーゼル）により製造されており、最終的な組み立てはイリノイ州のラグレーンジ工場、あるいはオンタリオ州のロンドン工場で行われました。

設計の背景

Fシリーズは、本来は貨物輸送を意識して設計されましたが、旅客运输の需要が高まったため、それに対応する形で改良が重ねられてきました。特に、F3モデルではオプションとして蒸気発生装置を装着できるようになったものの、Aユニットでは水タンクを搭載するスペースが不足していました。この問題を解決するために、FP7ではAユニットが1.2メートル延長され、全長は16.5メートルとなり、蒸気発生器用の水タンクを搭載できるようになりました。これにより、旅客列車の運行において必要とされる性能を実現しました。

外観と仕様

FP7の外観は、F7と比較して全長が増加しており、運転室寄りの丸窓とフィルター格子の間隔が広がっています。また、この機関車にはフェイズI仕様とフェイズII仕様が存在し、側面のフィルター格子や屋上のステンレス鋼製グリルのデザインが異なります。ダイナミックブレーキ用のファンが設置された車両と搭載されていない車両が存在し、未設置のモデルには屋上に水タンクが配置されています。FP7は、全体で378両が製造され、その多くが北米で活躍しましたが、サウジアラビアのアラビアン・アメリカン・オイル・カンパニーにも2両が納入され、海外でもその力を発揮しました。

旅客・貨物への貢献

EMD FP7は、旅客列車の牽引を目的として設計されただけでなく、F7をベースにしているため、貨物列車の牽引にも用いられることが多々ありました。特にカリフォルニア・ゼファーなどの長距離列車の運行においては、その存在感を発揮し、また旅客と貨物輸送の両方で広く利用されました。

現在の保存状態

今もなお、EMD FP7は多くの博物館や鉄道保存団体によって保存されています。例えば、ミネソタ州のレイク・スーペリア鉄道博物館にはFP7-2500号が、ノースカロライナ交通博物館にはFP7-6133号が保存されています。また、ウェスタン・パシフィック鉄道博物館にはカリフォルニア・ゼファーを牽引したFP7-805A号があり、歴史を感じさせる貴重な存在として観光客や鉄道ファンに親しまれています。

保存された車両の中には、さまざまな外観や仕様があり、それぞれが異なるストーリーを持っています。高いデザイン性と機能性を兼ね備えたFP7は、その魅力により多くの人々に受け入れられています。

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