ソフトウェア『EMIT』について
『EMIT』(エミット)は、
1994年に光栄からリリースされた教育エンターテインメントソフトであり、特に
英語学習を目指すユーザーに向けた製品です。このソフトは「イングリッシュドリームシリーズ」の第一弾として位置づけられ、Vol.1からVol.3の三部構成で展開されます。また、後に3巻をまとめた『EMIT バリューセット』も発売され、より多くの学習者に提供されました。さらに、
1995年には日本ソフトウェア大賞'94の読売新聞社賞を受賞し、その教育的価値が評価されました。
システム機能
本ソフトの特徴には、多様な学習方法が組み込まれていることが挙げられます。
アニメーションが再生され、その中で音声や
字幕を日本語と
英語の間で自由に切り替えることができる機能が用意されています。プレイヤーは
アニメを楽しみながら、自然なリスニング力を養うことができます。各章の終わりには、内容やセリフに関連した問題が
英語で提示され、学びを確認する仕組みが整っています。
物語は全体でVol.1からVol.3にわたって展開されており、各巻には約10章のシナリオが収められています。章ごとに異なる練習問題が用意されており、プレイヤーが選べる三種類の問題形式があります。一つ目は「会話練習」で、登場人物との対話を模擬体験できます。次に「内容理解問題」でストーリーの把握度を測ります。最後に「イメージ問題」があり、今後の展開を想像しながら問題に答える形式です。このような多面的なアプローチにより、プレイヤーは楽しみながら
英語力を向上させることが可能です。
ストーリー概要
ソフトのストーリーは、17歳の女子高生田中百合を主役とした物語です。ある日、百合は交差点で謎の老人と出会います。彼は突然、「EMIT」と呟き、姿を消してしまいます。この不思議な出会いが、百合の生活にどのような影響を与えるのかがストーリーの核心となります。
各巻のタイトルとあらすじ
1.
Vol.1「時の迷子」
百合は交差点で不思議な老人と出会い、「EMIT」という言葉を残され、彼女の生活に新たな変化が訪れます。
2.
Vol.2「命がけの旅」
百合のボーイフレンドの太田一郎はパーティーで百合にそっくりな女性と遭遇し、彼女について百合に話してしまいます。これがきっかけで、百合は「もう一人の百合」に興味を抱くようになります。
3.
Vol.3「私にさよならを」
普段と何かが違う百合を見た母親や一郎の疑念が深まる中、別の世界から傷を負った百合が戻ってくるといった、驚きの展開が待ち受けています。
仕様とスタッフ
本ソフトは
スーパーファミコン専用であり、特に
スーパーファミコン版には音声CDが別途付属します。この場合、ソフトとCDプレーヤーの同期には「ボイサーくん」と呼ばれるアダプタを使用し、リモコンで操作を行うことができます。制作にあたったスタッフの中には、シナリオ原案を
赤川次郎、キャラクターデザインを
いのまたむつみ、音楽を
小室哲哉が担当するなど、強力なクリエイターが揃っています。
声優キャスト
本作の声優は、日本語版と
英語版で異なるキャストが起用されています。田中百合役は
林原めぐみさん、老人や青年役は
安原義人さん、太田一郎役は
速水奨さんが演じています。さらに、ナレーションには
小宮和枝さんが関わっており、全体にわたるストーリーを魅力的に引き立てています。
このように、『EMIT』は教育とエンターテインメントを融合させ、楽しみながら
英語を学ぶことができるユニークなソフトです。