ERuby

eRuby（ERB）は、RubyのコードをHTMLやプレーンテキストに埋め込むための技術です。正式名称はembedded Rubyといい、ファイル拡張子は.erbが一般的です。この技術を使うことで、動的なWebコンテンツを効率的に生成できます。

eRubyの背景

従来のRubyでCGIを作成する際、HTMLコードは`print`や`puts`を使って記述する必要がありました。これは非常に手間がかかり、修正も大変でした。また、プログラマーとWebデザイナーの分業が難しく、Dreamweaverのようなオーサリングツールも利用できませんでした。

そこで、HTML内にRubyコードを埋め込む方法が考え出されました。PHPのような埋め込み型処理系を参考に、eRubyが開発されました。

eRubyの文法

HTMLファイルの中で、`<% ... %>`または`<%= ... %>`で囲まれた部分がRubyのコードとして認識されます。

• - `<% ... %>`: この中にRubyの命令を記述します。この部分は出力されません。
• - `<%= ... %>`: この中に記述されたRubyの式の評価結果が出力されます。`<% print ... %>`の省略形です。

このように、HTMLとRubyコードを混在させて記述できます。これにより、動的にHTMLを生成するWebアプリケーション開発が効率的に行えるようになりました。

eRubyの歴史

eRubyは、まつもとゆきひろの構想とePerlの実装を基に、関将俊によって開発されました。Ruby 1.8以降、標準ライブラリとして同梱されるようになり、広く利用されています。

また、前田修吾によるC言語実装のeRuby処理系も存在し、より高速な処理が可能です。

その他の実装

Rubyの標準添付ライブラリであるERB以外にも、以下のような実装が存在します。

• - Erubis: ERBよりも高速な処理を特徴とし、Ruby on Rails 5.0まで採用されていました。
• - Erubi: Erubisよりもさらに高速な処理を特徴とし、Ruby on Rails 5.1以降で採用されています。

これらの実装は、よりパフォーマンスを重視した場面で利用されます。

まとめ

eRubyは、RubyのコードをHTMLなどのテキストに埋め込むための重要な技術です。特に、Ruby on RailsのようなWebアプリケーションフレームワークでは、Viewの記述に不可欠な要素となっています。標準ライブラリとして提供されているため、Ruby環境があればすぐに利用できます。また、高速な代替実装も存在し、パフォーマンスを最適化することも可能です。

参考情報

• - [Ruby]] リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > erbライブラリ：[https://docs.ruby-lang.org/ja/latest/library/erb.html
• - ERB 公式サイト：https://www.ruby-lang.org/ja/

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