ESA/390

ESA/390 (エンタープライズ・システム・アーキテクチャ/390) の概要

ESA/390は、IBMが1990年に発表したメインフレーム向けのアーキテクチャです。これは、IBMが開発した最後の31ビットアドレス/32ビットデータを持つメインフレームアーキテクチャであり、その後の64ビットアーキテクチャへの移行の過渡期を担いました。

System/370からの進化

ESA/390は、System/370、S/370-XA、ESA/370の後継として登場しました。これにより、IBMのメインフレームは新たな段階へと進むことになりました。特に、アムダール、日立製作所、富士通などの他社もESA/390互換機を製造し、広く普及しました。

64ビットへの移行

2000年には、ESA/390はより高度な64ビットのz/Architectureに引き継がれました。この移行は、より大きなデータ処理能力とメモリ空間の必要性に対応するためのものでした。

IBM S/390 ブランド

ESA/390アーキテクチャを搭載したマシンは、1990年代にIBM S/390のブランドで販売されました。IBM S/390シリーズは、初期にはCPUの実装にバイポーラ技術を採用していましたが、後にCMOS技術へと移行しました。これにより、性能向上と省エネルギー化が図られました。

サポートされたオペレーティングシステム

ESA/390は、System/370でサポートされていた全てのオペレーティングシステムに対応しました。これには、OS/390|OS_390、VM/CMS、VSE、Linux/390などが含まれます。これらのオペレーティングシステムは、エンタープライズ環境での幅広い用途に対応しました。

まとめ

ESA/390は、IBMのメインフレームアーキテクチャにおける重要な転換点であり、31ビットから64ビットへの移行を円滑に進めるための基盤となりました。その影響は大きく、後のz/Architectureへと引き継がれ、現代のエンタープライズコンピューティングの基礎を築きました。

参考文献

IBM System/390 Announcement: 1990年9月5日に発表されたIBMのプレスリリースの内容。
Generations of the IBM 360/370/3090/390: ラーズ・ポールセン氏による、IBMメインフレームの歴史に関する詳細な情報。
* The Jim Austin Computer Collection, UK Computer Museum: IBM 390の外観および内部の写真。

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