ETカード

ETカード（イーティーカード）について

ETカード、正式にはエンテツトラフィックカードは、遠州鉄道が導入した磁気ストライプ式のプリペイド乗車カードです。1989年12月25日に電車サービスからスタートし、1992年にはバスにも対応しました。このカードの『ET』は、Entetsu Trafficの略であり、当初は『えんてつトラフィックカード』という名で親しまれていました。

導入と変遷

ETカードは1989年に遠鉄電車全線に導入され、その後、1992年からは遠鉄バスでも共通利用が可能となりました。最初は便利な交通手段として多くの利用者を抱えていましたが、2004年には無接触型ICカードが導入され、ETカードの利用者は次第に減少しました。最終的には、2006年5月31日にETカードの販売が終了となりました。

その後も2010年までは、電車とバスで利用可能でしたが、特に電車では2010年4月15日をもって使用が終了。バスについてはその後も使えましたが、新車の導入によって非対応となり、2018年1月31日にはバスでの取り扱いも終了しました。その結果、ETカードの利用は完全に終了しました。

使用方法

ETカードは元々、電車の場合には自動券売機に挿入することで切符を購入し、資金が不足する際には現金での追加支払いが可能でした。バスでは、乗車時に整理券を取り、降車時に運賃箱にカードを挿入するという流れでした。特に、2011年以前に製造されたバス車両では、ETカードの使用が可能でしたが、2012年以降の車両では対応していません。また、一部の自治体バスや空港リムジンバスにおいては、ETカードが使用できないことに注意が必要でした。

取扱いの終了

カードの払い戻しやナイスパスへの残高移行は、2020年1月31日まで可能でした。ETカードを利用していた人々はこの制度の終了に伴い、残高の払い戻しなどの手続きを行う必要がありました。なお、スイングメイトやお買物ETカードといった特別な仕様のカードも存在しましたが、これらの取り扱いも2020年の制度変更で終了しました。

運行車両のデザイン

ETカードにはバスや電車の車両として、特定のシンボルデザインが施されたものが存在しました。たとえば、三菱ふそう・エアロスターの車両や、特定のElectric Trainの編成名と共にETカードがデザインされていました。これにより、カードの利用促進とともに、利用者に親しみを持たせる効果も期待されていました。

まとめ

ETカードは、遠州鉄道の交通サービスとして長年にわたって利用されてきた歴史的なプリペイド式乗車カードです。その終焉は、時代の変化とともに発展した新たな交通手段の象徴でもあります。利用可能な間、多くの人々に親しまれたETカードの歴史は、地域交通の一端を支えた重要な要素であったと言えるでしょう。

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