ETUDE 〜a Wish to the Moon〜

久石譲『ETUDE 〜a Wish to the Moon〜』

『ETUDE 〜a Wish to the Moon〜』は、2003年3月12日にユニバーサルミュージックから発売された、久石譲の15枚目のアルバムです。全曲が久石譲自身のソロピアノ演奏で構成され、「月」をコンセプトにした作品となっています。

概要

アルバムタイトルが示すように、本作は練習曲集という形態をとっており、各楽曲にはそれぞれ異なるピアノ演奏の技法的なテーマが設定されています。ブックレットには、各曲のイメージに合わせた月にまつわるショートストーリーが掲載されており、楽曲の世界観をより深く理解することができます。久石譲自身も、本作を自身の代表作の一つとして挙げています。

制作背景

久石譲は、ポップ・ミュージックにおけるピアノの役割、特に右手でメロディ、左手で伴奏というスタイルに制約を感じていました。そこで、エチュード（練習曲）という形式に着目し、半音階やスタッカートといったピアノの技巧を追求することで、音と音との結びつきを強固にすることを目指しました。また、作曲の過程で思い浮かんだ世界観をアルバムのコンセプトとして明確に位置づけ、技巧的な側面と芸術的な側面を両立させることを意識して制作に取り組んだといいます。

制作にあたっては、フィリップ・グラスのエチュードを参考に、ミニマル音楽の自由な発想に感銘を受けたと語っています。

収録曲

1. Silence
2. Bolero (dedicated to Issac Albéniz)
3. Choral
4. MoonLight
5. MONOCHROMATIC
6. 月に憑かれた男
7. impossible Dream
8. 夢の星空
9. Dawn Flight
10. a Wish to the Moon〜

楽曲解説

Silence: 内声和音とオクターブのエチュード。ダンロップ『VEURO』CM曲。
Bolero (dedicated to Issac Albéniz): 同音連打、右手と左手の交差のエチュード。
Choral: 美しく和音を響かせるためのエチュード。
MoonLight: アルペジオのエチュード。
MONOCHROMATIC: 半音階のエチュード。
月に憑かれた男: スタッカートのエチュード。
impossible Dream: 6度のエチュード。
夢の星空: 3度のエチュード。
Dawn Flight: 5/4拍子の激しいリズム、及び和音連打のエチュード。
a Wish to the Moon〜: 同音連打の指替えとラグタイムビートのエチュード。キリンビール『一番搾り』CM曲、キリンビール『樽生一番搾り』CM曲。

外部リンク

久石譲オフィシャルサイトによる紹介ページ
UNIVERSAL MUSIC JAPANによる紹介ページ

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