半音階

半音階（クロマティック・スケール）とは

半音階（はんおんかい、クロマティック・スケール）とは、音楽において、隣り合う音の音程関係がすべて半音で構成される音階のことを指します。これは、西洋音楽の基礎となる音階の一つであり、特に12平均律においては、ただ一つの形で存在します。

半音階の構造

本来、半音階は全[[音階]]における音階音が半音変化した音を伴って構成されます。結果として、音階を構成する音の高さが半音間隔で並ぶことになります。これは、調性音楽（長調や短調など）と無調音楽（十二音技法など）の両方で重要な役割を果たします。

調性音楽における半音階

調性を持つ音楽では、例えばG♯（ジーシャープ）とA♭（エーフラット）は、同じ高さの音でも異なる音として扱われます。G♯はGの音を半音高くしたもの、A♭はAの音を半音低くしたもの、と定義されるからです。このため、半音階を構成する音は、その調の文脈の中で、それぞれの音の役割を明確にしながら配置されます。

無調音楽における半音階

一方、調性を持たない音楽（例えば、十二音技法によって作曲された音楽）では、G♯とA♭は区別されません。これらは、GやAとは関係のない、独立した音として扱われます。半音階は、このような無調音楽における音の素材としても利用されます。

半音階の書き方

楽譜における半音階の書き方は、楽典書などに規則が記載されていますが、実際の楽曲では必ずしもその通りに書かれないこともあります。

長調における半音階の表記

上行形:

長調において半音階を上行する場合、その調に含まれない音は、直後の音の短2度下の音として書くことが一般的です。例えば、直後の音がDであれば、C♯と表記します。また、D♭であればC♮、D♯であればC𝄪と書きます。

ただし、音階の第6音（ラ）と第7音（シ）の間にある音の場合は、直後の音の増1度下の音として書きます。例えば、ハ長調ではB♭、嬰ハ長調ではB♮、変ハ長調ではB𝄫と書くのが通常です。

下行形:

長調で半音階を下行する場合、その調に含まれない音は、直後の音の短2度上の音として書くのが一般的です。例えば、直後の音がDであれば、E♭と表記します。また、D♭であればE𝄫、D♯であればE♮と書きます。

ただし、音階の第4音（ファ）と第5音（ソ）の間にある音の場合は、直後の音の増1度上の音として書きます。例えば、ハ長調ではF♯、嬰ハ長調ではF𝄪、変ハ長調ではF♮と書きます。

短調における半音階の表記

短調の場合、上行形と下行形の区別なく、音階の第1音（ラ）と第2音（シ）の間の音のみ、上の音の増1度下の音として書きます。その他の音は、すぐ下の音の増1度上の音として書きます。

鍵盤における指使い

鍵盤楽器における半音階の標準的な指使いは、次のようになります。

1: 親指
2: 人差し指
3: 中指

この指使いは、半音階を滑らかに演奏するための基本となります。

関連項目

音階: 音楽における音の並び方の基本。
全[[音階]]: 半音と全音で構成される音階。
全音音階: 全音のみで構成される音階。
クロマティック(楽器用語): 半音階に関連する楽器の用語。

半音階は、音楽の基礎となる重要な概念であり、作曲や演奏において多様な表現を可能にする要素の一つです。

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