EUROGROOVE

EUROGROOVEの概要

EUROGROOVE（ユーログルーヴ）は、日本の音楽を国際的に広める目的で、小室哲哉が1994年から1996年の間に手掛けたプロジェクトです。このプロジェクトは、海外のダンス・ミュージックをJ-POP風にアレンジしたTRFの成功を背景に、日本の文化を表現したダンス・ミュージックを世界に送り出すことを目指しました。

EUROGROOVEが手掛けた楽曲は、特に1990年代初頭にヨーロッパで流行したユーロダンスのスタイルが色濃く反映されています。プロジェクトは多国籍のメンバーによるコラボレーションを特徴として、当時の音楽のグローバル化を先取りした活動となりました。

プロジェクトの目的

このプロジェクトは「日本製の音楽がなぜ海外で広がらないのか」という課題を解決し、欧米市場への進出を図るものとして立ち上げられました。「郷に入っては郷に従え」という理念のもと、欧州の流行を取り入れつつ、現地の作詞家を起用したり、ボーカルを楽曲ごとに変えるなどの手法が採用されました。小室はイギリスの制作チームに楽曲のリミックスを依頼し、現地のアーティストとコラボレーションすることで、自身の音楽を海外市場に適応させました。

プロジェクトの楽曲は、日本国内と海外の楽曲を同時に収録したコンピレーションアルバムとしてリリースされ、両者のクオリティの高さを示すことを意図していました。また、未来の展望として、音楽制作の窓口としての役割を果たすことや、海外アーティスト向けのプロデュースを目指していました。

EUROGROOVEの活動状況

当初、EUROGROOVEは小室とDJ KOOといったメンバーによってスタートし、TRFのツアーの合間を利用したクラブツアー「EUROGROOVE NIGHT」を全国で開催しました。その後、楽曲がヨーロッパで注目されるようになり、ARIESレーベルから『SCAN ME』のプロモ盤がリリースされ、これが外国市場への進出のきっかけとなりました。特にイギリスでは、シカゴ・ハウスのリミックスによるヒット曲『It's on you（Scan Me）』が誕生し、多くの聴衆に支持を受けました。

しかし、EUROGROOVEの活動は1990年代の初頭にあたるため、インターネット商用化直前の環境であり、様々な文化を理解する土台が整っていなかったため、作業コストが高くつく場面もありました。

プロジェクトの変遷

EUROGROOVEの活動が進む中で、小室の关注は徐々にアメリカ市場に移り、それに伴い日本の音楽シーンにおける小室の人気が高まる状況が生まれました。この結果、プロジェクトは自然消滅することになりましたが、彼は2015年にその活動を振り返り、「究極の趣味としてのプロジェクト」と語っています。

ディスコグラフィ

このプロジェクトでは、数多くのシングルやアルバムがリリースされ、なかでも『Let's Go』は日本国内で広く知られています。特に、1995年のクリスマスにリリースされた「THE BEST OF EUROGROOVE NON-STOP MIX」は、プロジェクトの集大成とも言える作品です。これに続き、イギリス市場向けにアレンジされたアルバム『In The Groove』や『United Nations Of Remixing』もリリースされ、その内容は日本の作品とは異なる力強いダンスサウンドに仕上げられました。

EUROGROOVEの活動は多くのアーティストやリスナーに影響を与え、小室哲哉の音楽的才能を示す重要なプロジェクトとして評価されています。

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