EXPERIENCE MOVIE

『EXPERIENCE MOVIE』〜THE YELLOW MONKEYの2ndアルバム

日本のロックバンド、THE YELLOW MONKEYの2枚目のオリジナルアルバム『EXPERIENCE MOVIE』は、1993年3月1日にリリースされました。このアルバムは、日本コロムビア・TRIADレーベルより発表され、バンドの活動の重要な一歩となりました。アルバムは2000年に廉価盤が、2013年にはリマスター版のBlu-spec CD2として再発売され、今なお多くのファンに愛されています。

アルバム制作背景

前作から約8か月という短い期間で制作されたこのアルバムは、シングル『アバンギャルドで行こうよ』と同時リリースされました。商業的には前作に及ばなかったものの、日本青年館での初のホールライブを成功させるなど、確実にファン層を広げていきました。本作には「90年代における純愛」、「後ろめたさ」、「過去の自分との訣別」といったテーマが描かれています。

バンドのボーカルである吉井は、「1枚目がホワイトサイドなら、2枚目はブラックサイド」と表現しており、実際に2枚組としてリリースすることを希望していたことも印象的です。

収録曲の特徴

本作には、6分を超えるバラードが3曲収録されています。それは「4000粒の恋の唄」、「フリージアの少年」、「シルクスカーフに帽子のマダム」です。吉井自身は、これらの楽曲を通じて自分の内面的な葛藤を描写したかったと明かしています。特に「4000粒の恋の唄」については、自身の青春時代を振り返る懺悔のような歌だとしています。

ジャケット写真も話題で、吉井が女装を披露しており、これはフランス映画『ベティ・ブルー』からのインスピレーションを受けたものだと説明しています。しかし、レコード会社の意向により、イメージが少し変わってしまったようです。

各曲の紹介

1. MORALITY SLAVE
- ベートーヴェンの『月光』のイントロから始まり、驚くべき台詞が逆再生された部分が話題となりました。

2. DRASTIC HOLIDAY
- 不倫をテーマにしており、深い切実さが感じられる楽曲です。

3. LOVE IS ZOOPHILIA
- インディーズ時代から存在していた楽曲です。

4. 仮面劇
- 独特な音楽性を感じるナンバー。

5. VERMILION HANDS
- ライブでは過激な演出が行われていました。

6. DONNA
- 山中湖で録音され、特別な思い入れのある曲です。

7. 審美眼ブギ
- アップテンポで、1stアルバムの商業的な厳しさを皮肉った内容になっています。

8. 4000粒の恋の唄
- 恋に泣く男性の心情が描かれた渾身のバラードです。

9. アバンギャルドで行こうよ
- 2ndシングルとしてもリリースされた人気楽曲。

10. フリージアの少年
- 吉井の生い立ちを反映した自伝的な歌詞が印象的です。

11. SUCK OF LIFE
- アルバムバージョンがあり、ライブでの定番曲としても知られています。

12. PUFF PUFF
- ファルセットを多用し、70年代のアメリカの音楽に影響を受けた楽曲。

13. シルクスカーフに帽子のマダム
- 母をテーマにした曲で、次回作にも関連する重要な楽曲です。

参加ミュージシャン

• - THE YELLOW MONKEY

- 吉井和哉 (Vocal, Electric Guitar, Acoustic Guitar)
- 菊地英昭 (Electric Guitar)
- 廃より洋一 (Bass Guitar)
- 菊地英二 (Drums)

さらにピアノやストリングスなど多彩な参加ミュージシャンによって、アルバムはより豊かな音楽体験を提供しています。これは、THE YELLOW MONKEYの音楽がいかに多写的であるかを示す証拠でもあります。コンセプトや背景が深いこのアルバム『EXPERIENCE MOVIE』は、今なお多くのファンに愛され続けています。

もう一度検索