Ecliptic Plane Input Catalog

Ecliptic Plane Input Catalog (EPIC)

Ecliptic Plane Input Catalog（EPIC）は、アメリカ航空宇宙局（NASA）のケプラー宇宙望遠鏡によって実施された第二のミッション、通称K2ミッションにおいて観測対象となった天体を網羅した重要なデータベースです。このカタログには、多数の恒星をはじめ、それらを周回する太陽系外惑星など、K2ミッションが観測した多様な天体が含まれています。

K2ミッションは、元々のケプラーミッションが機器の故障により主要な機能の一部を失った後、望遠鏡の残された能力を活用するために2013年11月頃に計画され、実行に移されました。この「Second Light」とも呼ばれた新たなミッションの主目的は、引き続き太陽系外惑星の発見を目指すとともに、観測対象を広げ、小惑星や彗星といった太陽系内の小天体、さらには遠方の超新星爆発や星が誕生する現場など、様々な宇宙現象の観測データ収集も行いました。

K2ミッションでは、望遠鏡の安定した姿勢を維持するために、太陽の放射圧を利用しながら観測視野を天の赤道面（黄道面）に沿って切り替えながら観測を進めるという戦略が採用されました。この方法により、ケプラー望遠鏡は以前のミッションよりも遥かに広い宇宙領域を探索することが可能になりました。ただし、この観測方式では、元のミッションに比べて測光精度は約300ppm程度となり、より高精度な観測が必要な一部の発見には制約がありましたが、広範囲の天体を網羅的に観測できる利点がありました。

EPICデータベースは、このK2ミッションによって観測されたすべてのターゲットに関する詳細な情報を提供します。例えば、EPIC 201563164、EPIC 204278916、EPIC 249706694といった多くの恒星がこのカタログに収められています。また、K2ミッション中にトランジット法（惑星が主星の手前を通過する際に生じる減光を検出する方法）などで発見された太陽系外惑星もリストアップされており、EPIC 203771098 b、EPIC 203771098 c、EPIC 211945201 bなどがその代表例として知られています。

EPICカタログに含まれるデータは、天文学者がK2の観測結果を解析し、新たな惑星候補を特定したり、星の活動を研究したり、統計的な分析を行う上で不可欠な基盤となります。このデータベースを通じて、K2ミッションが取得した貴重な観測データが広く研究に活用され、宇宙の理解に貢献しています。関連する情報源としては、他の星表（例：ヘンリー・ドレイパーカタログ、ハッブルガイド星星表）や、ケプラーが検出した天体候補のリスト（Kepler object of interest; KOI）、さらにはK2ミッションで発見された太陽系外惑星のリストなどが挙げられます。

もう一度検索