Elasticsearch

Elasticsearchは、Apache Luceneを基盤とした分散処理型マルチテナント対応の検索エンジンです。その最大の特徴は、圧倒的な全文検索のスピードと利便性です。内部ではApache Luceneの高速全文検索機能をフルに活用しており、スケーラブル、スキーマレス、マルチテナントといった特徴を持っています。

このソフトウェアはJavaで開発されており、商用を含めた検索エンジン業界で高い人気を誇っています。多くの著名な企業や団体で導入されており、その例として、Wikimedia、Facebook、StumbleUpon、Mozilla、アマデウスITグループ、Quora、Foursquare、Etsy、SoundCloud、GitHub、FDA、欧州原子核研究機構、Stack Exchange、Netflix、Pixabay、Sophosなどが挙げられます。

Elasticsearchは、当初Apache License 2.0の下で利用可能なオープンソースソフトウェアとして提供されていました。しかし、バージョン7.11からAGPLv3が追加されるまでの間は、OSSではないもののソースコードが公開されているソースアベイラブルソフトウェアという形態をとっていました。その後、バージョン8.16以降はAGPLv3ライセンスの下で提供されています。開発の中心は、オランダのアムステルダムに本社を置くElastic社が行っています。

Elastic社は、Amazon Web Services（AWS）が提供していた「Amazon Elasticsearch Service」に対し、以前から「OSSにタダ乗りする形で大きな利益を得ている」と批判していました。2021年、Elastic社はElasticsearchのライセンスを変更し、商用マネージドサービスでの利用を制限する措置を取りました。これに対抗してAmazonは、ライセンス変更前のElasticsearchをフォークし、新たに「OpenSearch」を立ち上げ、現在はOpenSearchベースのサービスを提供しています。

Elasticsearchの表記についてですが、「Elastic Search」のように間に空白を入れたり、「search」の頭文字を大文字にするのは誤りです。ただし、バージョン1.0.0以前にはそのような表記も混在していた時期がありました。

Elasticsearchは、その高速性と柔軟性から、幅広い分野で活用されています。大規模なデータ検索や分析、ログ管理など、様々な用途でその能力を発揮しており、現代のITインフラを支える重要な技術の一つと言えるでしょう。

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