Mozilla

Mozillaとは

Mozillaは、インターネットの黎明期から現在に至るまで、さまざまな意味を持つ言葉として使われています。その起源は、かつて存在したネットスケープコミュニケーションズに遡り、同社が開発したブラウザや関連技術、そしてそれらを受け継ぐオープンソースプロジェクトの名称として用いられてきました。現在では、ウェブブラウザ「Firefox」やメールクライアント「Thunderbird」などを開発する「Mozilla Foundation」を指すことが多いですが、それ以外にも、以下のような意味合いを含んでいます。

Mozillaプロジェクト

Mozillaは、もともとネットスケープが次世代インターネットスイートを開発するために立ち上げた自由ソフトウェアおよびオープンソースプロジェクトの名前でした。1998年に設立されたMozilla Organizationがその母体となり、2003年に非営利団体であるMozilla Foundationに引き継がれました。現在、FoundationはFirefoxやThunderbirdの開発・保守を行っています。また、Mozillaの商標はFoundationが所有しています。

Mozilla Corporation

2005年、Mozilla Foundationは、FirefoxやThunderbirdをエンドユーザーに提供するための子会社としてMozilla Corporationを設立しました。同社は法人税の支払いを行い、マーケティングや製品の宣伝を監督する役割を担っています。

Mozilla Application Suite

1998年、ネットスケープはNetscape Communicatorのバージョン5の開発を中止し、そのソースコードをオープンソースとして公開しました。これが「Mozilla」という名称のアプリケーションの誕生につながりました。Mozilla 1.0は2002年にリリースされ、Netscapeスイート（バージョン6・7）の基礎となるコードベースGeckoをベースに、多くのスタンドアロンソフトウェアの基礎となりました。Firefoxなどの製品と区別して、「Mozilla Suite」または「Mozilla Application Suite」と呼ばれることもあります。2006年、FoundationはSuiteの開発を終了し、FirefoxとThunderbirdに開発の主軸を移しましたが、その後、ボランティアコミュニティによって開発が引き継がれ、SeaMonkeyとしてリリースされています。

Geckoを搭載したブラウザの総称

Mozillaという言葉は、HTMLレンダリングエンジンであるGeckoを搭載したブラウザを指すことがあります。ウェブサイトで「Mozillaのブラウザが使える」と書かれている場合、それはMozilla Suite、Mozilla Firefox、Camino、Netscape Navigator 9など、Geckoエンジンを搭載したブラウザで閲覧できることを意味します。

Mozillaアプリケーションフレームワーク

Mozillaは、クロスプラットフォームアプリケーションフレームワークとしても使用されます。これは、Geckoレイアウトエンジンをはじめ、XULユーザーインターフェースツールキット、Neckoネットワーキングライブラリなどのコンポーネントから構成され、Mozillaベースのブラウザやアプリケーションの核となります。

Mozillaコードベース

FirefoxやThunderbird、XULRunnerなどのMozillaソフトウェアプロジェクトのソースコードは、CVSリポジトリで一括管理されています。このコードベースは、Mozillaコードベース、Mozillaソースコード、または単に「Mozilla」と呼ばれます。当初はNetscape Public Licenseで提供されていましたが、後にMozilla Public License（MPL）に変更され、さらにGPLやLGPLとの互換性を考慮したライセンスが策定されました。

Netscape Navigatorのコードネーム

歴史的に見ると、Mozillaの名称はNetscape Navigatorのコードネームとして使われていました。開発者ジェイミー・ザウィンスキーがネットスケープ社に在籍していた頃、Mosaic Killer（モザイク・キラー）の略称としてこの名前が採用されたと言われています。この名前には、当時主流だったブラウザMosaicを打倒するという意味合いと、Godzilla（ゴジラ）に似た響きを持たせるという意図がありました。

ネットスケープ社のマスコット

Mozillaは、ネットスケープの前身であるモザイクコミュニケーションズのマスコットでもありました。当初はさまざまなマスコットの候補がありましたが、最終的にゴジラに似た緑色のトカゲが選ばれました。このマスコットは、ネットスケープのウェブサイトで目立つように表示されていましたが、後にプロフェッショナルなイメージを確立するために削除されました。しかし、社内では愛され続け、Tシャツなどのグッズにも使われていました。ネットスケープがAOLに買収された後も、Mozillaの画像は公式サイトに残っています。

現在では、Mozillaのマスコットは二代目の赤いティラノサウルスに置き換えられていますが、Open Directory Projectでは、以前の緑色の怪獣が使われています。

ユーザーエージェント名

HTTPリクエストヘッダに含まれるユーザーエージェント文字列には、クライアントの種類を示す情報が含まれています。ネットスケープナビゲーター（およびその子孫）は、「Mozilla/バージョン名」という形式の文字列を送信します。この文字列は、過去にネットスケープブラウザが市場を席巻した際に、ネットスケープでのみ動作するサイトを構築するための識別子として利用されました。そのため、他のブラウザは、ネットスケープ用に作成されたコンテンツを適切に表示するために、ユーザーエージェント文字列を偽装する必要がありました。Internet Explorerがユーザーエージェント文字列の先頭に「Mozilla」を含めるようになったのは、このためです。現在でも、多くのブラウザがユーザーエージェント文字列に「Mozilla」を含めていますが、これは歴史的な経緯によるものです。

古いアクセス解析プログラムでは、「Mozilla/5.0」から始まるユーザーエージェントをNetscapeシリーズのバージョン5と誤って判断することがありましたが、実際にはNetscapeのバージョン5は開発が中止されています。

脚注

Mozillaは、当初ネットスケープコミュニケーションズの一部門として始まりましたが、その後、独立した組織として成長しました。
Mozillaの活動は、オープンソースソフトウェアの普及に大きく貢献しました。
Mozilla Foundationは、非営利団体として、ウェブの公共性とイノベーションの促進に取り組んでいます。

関連項目

WebDINO Japan

外部リンク

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* Mozilla Japan コミュニティポータル

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