Emath

emath

emath（イーマス）は、LaTeX（ラテフ）という組版システム上で動作する、初等数学分野の教育用プリント作成に特化したマクロパッケージです。開発者はtDB氏として知られる大熊一弘氏です。

主な機能と特徴

emathを利用することで、TeXの標準的な数式表現を、日本の教科書などで一般的に用いられる形式に変更することができます。特に、TeXでは扱いにくいとされる分数の表示形式を改善できる点が大きな利点です。

さらに、emathP.styというスタイルファイルを用いることで、複雑な設定なしにグラフや図形を描画することが可能です。これにより、数学の教科書や問題集のような、視覚的に分かりやすく質の高い印刷物を比較的容易に作成することができます。

emathのコマンドは、多くのものが日本語のローマ字表記を基にしており、特に訓令式ローマ字が採用されています（例: 「ちは」は「ti」と表記）。この命名規則は、日本語話者にとっては直感的である一方、非日本語話者にとってはコマンドの機能を類推しにくいという側面があります。

emathのすべての機能はコマンド入力によって実現され、いわゆるWYSIWYG（見たままが得られる方式）ではありません。コマンドの詳細や使用法を習得するためには、公式の情報源であるemathWikiを参照することが不可欠とされています。

数値計算を伴う複雑な処理が必要な場合には、外部プログラムであるPerlと連携して実行する仕組みが備わっています。

インストールと更新

emathを利用するには、通常「訂正版」と呼ばれるバージョンをインストールすることが推奨されています。「実験版」も公開されていますが、こちらは不定期かつ頻繁に更新されるため、安定した利用には訂正版が適しています。

関連事項

emathはTeXファミリーの技術を基盤としています。関連する技術としては、以下のものが挙げられます。

TeX
LaTeX
AmS-TeX
AmS-LaTeX
* pLaTeX2ε

外部リンク

emathに関連する情報は、主に開発者が提供する「初等数学プリント作成マクロ」と題されたウェブサイトなどで公開されています。

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