Euler Math Toolbox

Euler Math Toolbox（または EuMathT）は、数値計算に特化したオープンソースの自由ソフトウェアです。実数、複素数、離散値、ベクトル、行列といった多様なデータ型を扱えるだけでなく、2Dおよび3Dプロットによる可視化機能も充実しています。数式処理システムとして Maxima を統合できる点も大きな特徴です。

Euler の特徴

行列演算構文: MATLAB に類似した直感的で強力な行列演算構文を備えています。
ノートブックインターフェース: 計算過程や結果を記録・整理しやすいノートブック形式のインターフェースを採用しています。
2D/3D プロット: 高度なグラフ描画機能により、計算結果を視覚的に表現できます。
Maxima 連携: 数式処理システム Maxima と連携することで、数式処理と数値計算を組み合わせた高度な計算が可能です。
クロスプラットフォーム: Windows でネイティブに動作し、Unix および Linux 環境でも利用可能です（ただし、Unix/Linux 版では Maxima が内蔵されていません）。

開発の経緯

Euler Math Toolbox は、1988年に Atari ST 用のソフトウェアとして René Grothmann によって開発されました。当初は単に Euler という名称でしたが、インターネット上での混同を避けるため、現在の名称に変更されました。

開発の主な目的は、数値計算アルゴリズムの検証、計算結果の可視化、そして教育現場での利用を促進することでした。MATLAB とほぼ同時期に開発が開始されたこともあり、行列演算構文など多くの共通点を持っています。

長年にわたり、開発は René Grothmann 氏を中心に行われており、2007年には Maxima との統合が実現しました。これにより、Euler は Maxima の数式処理能力を活用できるようになり、数値計算エンジンとしての機能がさらに強化されました。

Euler の開発目標は、主に微分積分学に関する高度な計算を支援することにあります。そのため、関連する機能が特に充実しています。

まとめ

Euler Math Toolbox は、数値計算、数式処理、可視化機能を統合した強力なツールであり、研究者、エンジニア、学生など、幅広いユーザーにとって有用なソフトウェアです。オープンソースであるため、自由に入手・利用できる点も魅力です。

外部リンク

Sourceforge の公式ホームページ

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