Evernote(エバーノート)とは
Evernoteは、ノートを取るように情報を蓄積できる
Webサービスです。Evernote社によって開発・提供されており、Microsoft OneNote、Google Keep、Simplenoteなどが競合サービスとして挙げられます。
サービスの概要
Webサイトでアカウント登録をすることで、誰でも無料で利用を開始できます(有料のプレミアム版も提供)。テキスト、画像、PDFなどのデジタルデータを同社のサーバー上に保存可能です。ユーザーは「ノートブック」と呼ばれるサブジェクトごとにデータを整理し、保存された情報は自動的にインデックス化され、検索が容易になります。また、タグ付けやノートブック間の整理も可能です。
保存したデータは、Webブラウザ、専用クライアントアプリケーション、モバイルデバイスから閲覧・編集できます。さらに、共有設定により、他のユーザーとの情報共有も可能です。
プラン
Evernoteは、無料プランと有料プランを組み合わせたフリーミアムモデルを採用しています。
ベーシック(無料):月間アップロード容量に制限(60MB)があり、利用可能な端末数は2台までです。同期できるファイル形式に制限があり、広告も表示されます。
プラス(有料):ベーシックプランに加え、アップロード容量が増加し、モバイル端末でのオフライン編集が可能になります。
プレミアム(有料):すべての機能が利用でき、アップロード容量が無制限になります。
ビジネスユーザー向けには、プレミアムプランに共同作業機能と管理ツールを追加した「Evernote Business」が提供されています。プランの機能や料金は変更される可能性があるため、公式サイトで確認が必要です。
クライアント
公式クライアントソフトウェアは、Android、iOS、macOS、Windows向けに提供されています。以前はBlackBerry端末向けにも提供されていましたが、現在は終了しています。フィーチャーフォンでは、iアプリのほか、専用メールアドレスにメールを送信することでノートを保存する機能も利用可能です(無料プランでは回数制限あり)。
市場と利用者
2011年8月時点で、ユーザー数は1250万人に達しています。利用者の内訳は、アメリカが36%、日本が27%と多く、イギリスと韓国が4%となっています。
日本市場
日本語版サービスは2010年3月に開始され、同年6月には日本法人が設立されました。VAIOやXperiaにプリインストールされたり、iモード端末でiアプリとして利用できるなど、日本市場での展開を強化しています。NTTドコモのAndroidユーザー向けには、プレミアム版の無料利用キャンペーンも実施されました。また、東日本大震災後には、国内ユーザー全員に一時的にプレミアム版が無償提供されました。2012年にはグッドデザイン賞を受賞しましたが、2024年4月に日本法人は解散しています。
企業姿勢と迷走
Evernote社は、顧客のデータを預かる企業として、長期的な信用を重視しています。かつてはIPOを計画していましたが、法人利用に耐えうるサービス開発を優先しました。しかし、その後、グッズ販売事業や本業以外のアプリ開発に注力した結果、迷走。CEOの交代や従業員のレイオフ、サービスの終了、有料プランの値上げなどが行われました。無料ユーザーが利用できる端末数の制限も課されました。その後、ウェブ版の機能向上を理由に、ウェブブラウザからの利用も端末数制限の対象となりました。
不祥事
2013年には、大規模な不正アクセスにより、全ユーザーのパスワードが強制的にリセットされる事件が発生しました。ユーザーのデータ漏洩は確認されなかったものの、メールアドレスや暗号化されたパスワードが漏洩した可能性が指摘されています。
関連項目
クラウドコンピューティング
ノートテイキングソフトウェア
競合製品
Boostnote
Google Keep
Microsoft OneNote
Notion
Simplenote
Zoho Notebook
外部リンク
公式サイト
Evernote 日本語版ブログ
Evernote ソースネクスト版
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