ExPASy

ExPASy（Expert Protein Analysis System）は、スイスバイオインフォマティクス研究所（SBI）が運営する、生命科学分野における重要なバイオインフォマティクスのリソースポータルです。このポータルは、プロテオミクス、ゲノミクス、系統進化、システム生物学、集団遺伝学、トランスクリプトミクスなど、生命科学の多岐にわたる領域を網羅し、研究者がこれらの分野のリソース、データベース、ソフトウェアツールへアクセスするための統合的なプラットフォームを提供します。

ExPASyの大きな特徴は、SBIや協力研究機関の複数のグループによって分散的にホストされている個々のリソース（データベースやソフトウェアツール）に対して、共通のエントリーポイントを提供する点にあります。これにより、研究者は単一のウェブポータルを通じて、多様なリソースを効率的に利用することができます。また、ポータル内には、選択された複数のリソースを横断的に検索できる機能も備わっており、必要な情報を迅速に見つけ出すことが可能です。

ExPASyは、専門家だけでなく、バイオインフォマティクスに詳しくないユーザーも対象としています。新しいウェブインターフェースは、特に初心者に対して視覚的なガイダンスを提供し、リソースの利用を容易にしています。ポータル内でのリソース利用状況は常にモニターされており、ユーザーエクスペリエンスの向上に役立てられています。

歴史的背景

ExPASyは、元々「Expert Protein Analysis System」という名称の略であり、タンパク質の配列、構造、二次元電気泳動を解析するためのプロテオミクスサーバーとして誕生しました。特に、タンパク質配列のデータベースであるUniProtKB/Swiss-Protや、そのコンピュータによるアノテーションであるUniProtKB/Tremblを参照する上で重要な役割を果たしました。

興味深いことに、ExPASyは生命科学分野における最初のウェブサイトの一つであり、インターネット黎明期から科学研究の発展に貢献してきました。2007年4月5日の時点で、1993年8月1日の開設以来、10億回以上のアクセスを記録しており、その影響力の大きさを物語っています。

ExPASyは、長年にわたり生命科学研究の基盤を支え、世界中の研究者にとって不可欠なツールとなっています。その継続的な発展と改善により、今後もバイオインフォマティクスの分野において重要な役割を果たし続けることが期待されます。

出典

ExPASy website

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