Exynos 9820

Exynos 9820の詳細

Exynos 9820は、サムスン電子により開発されたモバイル機器向けのシステムオンチップ（SoC）です。このプロセッサは、2018年11月14日に発表され、Exynosシリーズの中で初めて8nmプロセス技術を採用しました。特に注目すべきは、AI処理を専任で行うニューラルプロセッサユニット（NPU）がハードウェアレベルで組み込まれている点です。これにより、従来のExynos 9810と比べて、AI関連の処理速度を約7倍に引き上げることが可能です。

CPUとGPUの性能

Exynos 9820はオクタコア構成を採用しており、高負荷処理には第4世代カスタムCPU「Mongoose 4」を2コア、汎用処理にはARM Cortex-A75を2コア、そして低負荷処理にはARM Cortex-A55を4コア配置しています。この配置により、必要な処理に応じて最適なCPUコアが動作し、電力効率と性能のバランスを実現しています。

このプロセッサのGPUには、ARM Mali-G76の12コアが搭載されており、グラフィックス処理の性能も大幅に向上しています。前世代と比べると、CPUの性能は約20%、電力効率は約40%改善され、GPUに関しても性能が40%向上し、電力効率が35%改善されています。

動画処理能力

Exynos 9820は、動画エンコードとデコードの機能も強化されています。これにより、最大8K解像度での30fps、及び4K解像度での150fpsの動画撮影が可能となっています。これらの機能は、特に高性能なカメラを搭載したスマートフォンにおいて、映像制作やゲームなどの用途において非常に魅力的です。

ストレージ対応

ストレージに関しては、Exynos 9820はUFS 2.1及びUFS 3.0に対応しています。一方で、前世代のExynos 9810までサポートしていたSD3.0に関する公式な表記はありませんが、搭載デバイスであるGalaxy S10シリーズ（5Gモデルを除く）では、512GBまでのmicroSDカードが引き続き使用可能です。

主な搭載機種

Exynos 9820は、以下のSamsung Galaxy S10シリーズのグローバル版に搭載されています。

• - Samsung Galaxy S10e
• - Samsung Galaxy S10
• - Samsung Galaxy S10+

結論

Exynos 9820は、サムスン電子によって設計された高性能なモバイルSoCであり、動画処理やAI機能に優れた能力を持っています。新しいプロセス技術の採用により、パフォーマンスと電力効率の両面での向上を実現し、今後のスマートフォンの進化に貢献できる可能性を秘めています。

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