F-15 (航空機・初代)

F-15 リポーター

F-15 リポーター（Northrop F-15 Reporter、後にRF-61）は、ノースロップが開発したP-61 ブラックウィドウ夜間戦闘機を基にした写真偵察機です。この機体は、アメリカ空軍における最後のピストンエンジン搭載の写真偵察機として位置付けられています。限られた生産数と短い運用期間にもかかわらず、F-15は朝鮮戦争で重要な役割を果たし、特に1950年に北朝鮮の韓国侵攻に関する重要な空中写真を残しました。

設計と開発

F-15リポーターは、P-61ブラックウィドウの改良型であるXP-61Eから武装を外したものでした。1945年7月3日に初飛行を果たし、その後、偵察機としての改装が進められました。次第に機体は、新しい機首に置き換えられ、偵察用カメラが搭載されるようになります。また、ターボチャージャー付きのプラット・アンド・ホイットニー R-2800-Cエンジンを装備し、高度な飛行性能を持つ機体へと進化しました。

ノースロップ社は、緊急に320機のF-15リポーターを調達する契約を結びました。テストの結果、F-15がXF-11に近い性能を持つことが確認され、このことがXF-11の開発中止につながったのです。量産が始まったF-15Aは1946年9月に初号機が納入されたものの、1947年に将来的にジェット機への移行を理由に契約が終了します。最終的には36機が製造されたものの、その全てが運用に適したわけではありませんでした。

特徴と構造

F-15は、独特な涙滴型キャノピーを持ち、2名の搭乗員が配置されています。機体は、状態を維持しつつも新しいデザインを取り入れた中央胴体を持ち、偵察カメラを搭載するためのスペースが設けられました。搭載可能な最大速度は440 mph（708 km/h）、離陸重量は32,145 lb（約14,580 kg）です。多くの部品は既存のP-61Cから流用されており、運用の効率が高められています。搭乗員はそれぞれ操縦と偵察を担当し、入れ替わりで任務に従事します。

運用の歴史

製造されたF-15Aの34機のうち、多くは日本の第8写真偵察飛行隊に配備されました。この飛行隊は、朝鮮戦争の時期において日本の基地からの運用が主であり、主要な偵察任務を担当しました。また、朝鮮半島の地図作成にも貢献しています。運用は順調ではなく、早くから整備上の問題が発生しました。1948年には多くの機体が改修を余儀なくされ、各種偵察任務に従事した後も維持は困難でした。

最終的にF-15Aは1939年に陸上部隊に戻され、しばらくの間運用され続けますが、1949年に移転を機に装備は徐々に整えられなくなります。

民間利用と最後の飛行

F-15の運用が縮小される中で、残存機は民間でも利用されました。また、特定の機体は空中投下用スケールモデルの投下機として改装され、最後には航空消防機として活躍しました。最も運用され続けたF-15Aは、最終的に1968年に事故で失われてしまいますが、その時点まで数々の改造を経て様々な任務に従事していたのです。

その存在は、戦時中の技術革新の一端を担い、近代航空機の発展に寄与した重要な機体として記憶されています。

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