F-15J (航空機)

F-15J 戦闘機の概要

F-15Jは、アメリカのマクダネル・ダグラス社（現在のボーイング社）が開発したF-15C/Dイーグルを基に、日本の航空自衛隊向けに三菱重工業が製造した制空戦闘機です。これには、単座式のF-15Jと複座式のF-15DJが含まれています。本機は1977年に制式採用され、日本国内でのライセンス生産のもと、165機のF-15Jと48機のF-15DJ、合計213機が製造されました。これにより、日本はアメリカに次ぐ多くのF-15シリーズ機を保有しており、海外のF-15使用機の約60%を占めています。

現在、F-15Jは300機以上が運用されており、運用率は90%以上を維持しています。当初の調達価格は約70億円でしたが、最終的に101億5600万円に達しました。この機体は、航空自衛隊の運用に特化されているため、アメリカ空軍のF-15とは見た目こそ似ていますが、国籍標識や迷彩塗装などの違いがあります。さらに、機体の更新により、その能力は年々向上しています。

F-15Jの運用経緯

F-15Jは、第3次F-X計画に基づいて導入されました。この計画はもともと1974年に始まり、F-104J/DJやF-4EJの後継機を選定するためのものでした。その結果、F-15、F-14などが候補に挙げられました。そして、1976年末にはF-15の導入が内定され、1977年には国家安全保障会議で制式採用が決定されました。

本機は、1980年代から2000年代にかけて国産化が進められ、1980年には初めて航空自衛隊へ1機目が引き渡されました。この際、航空自衛隊のパイロットによる訓練も行われ、新たな運用体制が整えられました。その後、F-15J/DJを使った飛行隊が設けられ、実戦部隊として配備が進められました。

F-15Jの現状

2023年現在、航空自衛隊は200機を運用し、主に防空任務を担っています。F-15Jは対地攻撃能力を持つ一方で、厳密には専用の地上攻撃機能を持っていないとされています。運用する上で、空対空ミサイルやバルカン砲など様々な武装が利用されています。

機体はバージョン毎に異なる装備を持ち続け、例えばJ-MSIP計画による近代化改修などが行われました。近年では、最新のミサイルや電子戦能力の向上を図るための改修が進められています。しかし、古くから運用していたPre-MSIP機は、近代化改修の対象とされずF-35など新世代戦闘機によって代替される方向が示されています。

F-15Jの将来

気になるのはF-15Jの将来の運用です。航空自衛隊は近代化改修を進めており、2025年頃までに初期生産機の寿命が迎える見込みです。しかし、老朽化の進展や予算の制約もあり、次の世代への更新が不可欠とされています。顕著な変更が予想されるのは、電子戦能力の強化やスタンドオフミサイルの導入です。最近の計画では、しっかりとしたミサイル搭載能力の向上が求められています。

F-15Jは日本の空を護る重要な役割を果たし続けている一方、航空自衛隊の技術的な進化との連携が求められています。新たな作戦環境への適応や次世代機との整合を考慮する中で、引き続き運用されることが期待されております。

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