F-Power

株式会社F-Powerの歴史と事業経緯

株式会社F-Power（エフパワー）は、かつて電力供給を手掛けていた特定規模電気事業者です。2009年に設立され、自社発電所や契約発電所からの電力供給と電力市場（JEPX）からの調達を組み合わせ、安定した電力供給を目指しました。

概要と事業モデル

F-Powerは、発電所からの大容量ガス火力発電やバイオマス発電を利用し、金融工学の手法を駆使してリスク管理を行い、安定した電力供給を実現するビジネスモデルで成り立っていました。その結果、2018年4月には新電力市場で電力販売量の1位に輝くものの、その後はメンバーの動向が変化し、2020年3月には販売ランキングが10位にまで後退してしまいました。

2018年度には120億円、2019年度には185億円という巨額の最終赤字を記録し、2019年6月末には約80億円という債務超過に陥りました。これにより、F-Powerは困難な状況に直面しました。

会社更生手続き

2021年3月24日、F-Powerは東京地裁に会社更生法に基づく手続きの開始を申請しました。また、同日に保全管理命令も受けました。この時点での負債総額は約243億円に達し、同年3月30日に東京地裁から会社更生手続きの開始が決定されました。

さらに、F-Powerは会社更生スポンサーとして日本GLPを選定。その後、2021年10月15日に電力小売事業を日本GLPに譲渡する契約を結び、2022年4月1日付で電力小売事業の運営が日本GLPの子会社であるFPSへと移行しました。そして、公式サイトもFPSへと譲渡されました。2023年2月には、株式会社エフ管財へと商号変更が行われ、引き続き会社更生手続きが継続されています。

沿革の詳細

F-Powerの沿革を振り返ると、1997年5月に設立された株式会社ファーストエスコを前身に持ち、2004年には特定規模電気事業者としての届出が行われるなど、その歴史は長いものがあります。2005年には関連会社を設立し、2006年から2008年にかけては関西、関東、東北地区での電力小売事業が展開されました。2009年4月には、ファーストエスコの電力ビジネスを受け継いで現在のF-Powerが設立されることになります。

その後、2010年にCO2フリーの電力供給に特化したG-Powerを設立し、2011年には中部地区での事業も開始。2015年には全国展開を達成し、電力供給能力も拡大しました。ところが、2017年には不適切な計画提出が問題視され、改善指導を受けることになります。その背景には、多くの競合企業が同様の問題を抱えており、電力取引市場における流動性の低さが影響しているとの見方も示されました。

最終的に、企業の転機として会社更生手続きへと進むこととなったF-Power。電力市場における変化はその運命を大きく変え、持続可能なビジネスモデルの転換を余儀なくされることとなりました。

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