F-X (航空自衛隊)

F-X（エフエックス）とは

F-X（エフエックス）は、「Fighter-eXperimental」の略で、日本の航空自衛隊が次期主力戦闘機を導入する際の計画を指す言葉です。直接の機体名ではなく、戦闘機導入に関連した計画や選定された機体を示す用語です。日本には1950年代から2010年代にかけて、合計で4回のF-X計画があり、最新の計画ではF-2の後継機の採用が予定されています。

過去のF-X計画

第1次F-X（1950年代）

最初のF-X計画は1950年代後半、ノースアメリカンF-86FとF-86Dの後継機を導入する目的で始まりました。導入候補としてロッキードのF-104C/D改とグラマンのG-98J-11が挙がりましたが、一旦G-98に決定したものの、諸問題のため選定が白紙化され、最終的にF-104Gを基にしたF-104J/DJが採用され、1963年から1967年にかけて230機が導入されました。

第2次F-X（1960年代後半）

次に、1960年代後半にはロッキード/三菱F-104J/DJの後継機を導入する計画が進められました。候補としてF-4E改やサーブ37ビゲン、ダッソー・ミラージュF1などが挙げられましたが、最終的にF-4E改をF-4EJとして採用し、1971年から1981年にかけて140機が導入されました。

第3次F-X（1970年代中盤）

1970年代中盤には、ロッキード/三菱F-104J/DJの後継機に加え、F-4EJの一部の代替機を導入する計画が立てられました。このときはF-15C/D改やF-14などが候補として挙がりましたが、最終的にF-15C/D改をF-15J/DJとして採用し、1980年から1999年にかけて213機が導入されました。

第4次F-X

2008年から始まった第4次F-X計画では、退役が進むF-4EJ改に代わる戦闘機の導入が目指されています。2011年度から中期防衛力整備計画として実施されるため、F-15J/DJの一部への置き換えも考慮されている状況です。

防衛環境と戦闘機の必要性

日本の周邊には強力な空軍を持つ国々が存在し、自衛隊は限られた数の戦闘機で防衛を担う必要があります。周辺国の最新式戦闘機の導入を考慮し、F-X計画では他国の機体に劣らない戦闘力が求められています。

機体選定の経緯

他国の戦闘機が徐々に近代化される中、F-X計画ではアメリカのF-35を選ぶことが決まりました。この決定に至るまで、多くの候補機が精査され、開発時期やコスト上昇の課題にも直面しました。具体的には、F-35の製造や運用に関わる様々な政治的要因が絡み合い、選定が難航したものの、ようやくF-35Aの採用が正式に決まった経緯があります。

技術的及び産業面での考慮

近代化改修や新型機の導入にあたり、自衛隊は国内航空機産業の維持も考慮しています。特にF-35が採用されたことで、ライセンス生産による国内技術の向上が期待されています。先进の技術を積極的に取り入れることで、日本独自の航空機産業の発展にも寄与することが重要視されています。

F-X計画は、過去の歴史を経て日本の航空戦力を強化する取り組みであり、国防の基盤としての役割を果たしていくことが期待されています。

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