F1/エフワン

2025年に世界公開が予定されている映画『F1/エフワン』は、モータースポーツの最高峰、フォーミュラ・ワン（F1）の世界を深く掘り下げたアメリカ制作のスポーツドラマ作品です。

主要スタッフ・キャスト

本作のメガホンを取るのは、『トップガン マーヴェリック』でその手腕が高く評価されたジョセフ・コシンスキー監督。製作には、ハリウッドのヒットメーカーであるジェリー・ブラッカイマーと、主演を務めるブラッド・ピットが名を連ねており、強力な布陣で制作が進められています。

主演のブラッド・ピットは、かつて名を馳せたものの引退し、再びレースの世界へと戻ってくるベテランドライバー、ソニー・ヘイズを演じます。彼のパートナーとなる若き才能、ジョシュア・ピアース役にはダムソン・イドリスがキャスティングされました。物語には、彼らを取り巻く様々な人間ドラマが織り込まれており、チーム内の葛藤や絆、そして競争の世界でのプレッシャーなどが描かれます。

その他の主要キャストには、ケリー・コンドン、ハビエル・バルデム、トビアス・メンジーズ、シェー・ウィガム、サムソン・カヨといった実力派俳優陣が名を連ねています。日本語吹替版においては、ブラッド・ピット演じるソニー・ヘイズを堀内賢雄、ケリー・コンドン演じるケイトを佐古真弓、ハビエル・バルデム演じるルーベン・セルバンテスを大塚明夫が担当することが決定しており、日本語版での鑑賞も期待されます。

また、F1ファンにとっては嬉しいサプライズとして、現役のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンや、日本のトップドライバーである角田裕毅が本人役で出演することも明らかになっています。これにより、映画にさらなるリアリティと魅力が加わることは間違いありません。

物語の舞台とテーマ

物語の中心となるのは、架空のF1チーム「APX GP」です。このチームを舞台に、ソニー・ヘイズが若手ドライバーのジョシュア・ピアースをサポートするために現役へ復帰するというユニークな設定が描かれます。かつての栄光を知るベテランが、新進気鋭の若手を支え、共に頂点を目指すという構図は、2001年の映画『ドリヴン』で描かれたテーマとの類似性が指摘されることもあります。

圧巻の撮影とリアリティ

本作の最大の見どころの一つは、その圧倒的な映像表現と撮影手法にあります。映画は、F1の主催者であるリバティメディアの全面的な公認と協力を得て製作されており、実際のF1グランプリが開催されている最中のサーキットで撮影が行われました。

撮影には、APX GPチームのマシンとして、2023年までFIA F2選手権で使用されていたダラーラ・F2 2018をベースに、メルセデスAMG F1の技術協力のもとF1マシンのように改造された車両が用いられています。これらの車両にはメルセデスやAMGのロゴも確認でき、細部までこだわった作りとなっています。さらに驚くべきは、主演のブラッド・ピット自身が、これらの撮影用車両を実際に運転して走行シーンを撮影したことです。これにより、スクリーンには単なるCGでは再現できない、本物のドライバー視点での迫力ある映像が映し出されることが期待されます。

F1グランプリの現場だけでなく、2024年のデイトナ24時間レースでも撮影が行われました。この際、撮影用のポルシェ・911 GT3 R（カーナンバー120）が実際にレースに出場するという異例の試みも行われ、映画のリアリティを追求するための制作陣の情熱が伺えます。

まとめ

『F1/エフワン』は、ジョセフ・コシンスキー監督の手腕、ジェリー・ブラッカイマーとブラッド・ピットによる製作、そして実力派キャストの演技に加え、F1の現場での大規模かつリアルな撮影によって、これまでにないF1映画体験を観客に提供することを目指しています。モータースポーツの華やかさ、厳しさ、そしてそこに生きる人々のドラマがどのように描かれるのか、2025年の公開が待ち望まれます。

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