F7F (航空機)

F7F タイガーキャットの概要と歴史

F7F タイガーキャット（Grumman F7F Tigercat）は、アメリカのグラマン社によって開発された双発艦上戦闘機です。この機体は、第二次世界大戦の末期から戦後にかけてアメリカ海軍によって運用されました。その名は「タイガーキャット」に由来し、トラネコの愛称が付けられています。

開発背景

グラマン社は、未採用となったXF5Fスカイロケットの開発経験を元に、航空史上でも稀な制式採用されたレシプロ双発艦上戦闘機を作り上げました。アメリカ海軍は、日本との戦争を見据え、当時建造が進められていた大型航空母艦に搭載するための双発艦上戦闘機の開発をグラマン社に依頼しました。

同社は、過去にXF5Fの試作機を開発した経験から豊富な技術を持っており、この新しい計画にとって理想的な候補と見なされました。要求された機能力には制空任務だけでなく、地上攻撃や対艦攻撃、さらには雷撃能力も含まれていました。

機体設計

F7Fは中翼配置の機体を持ち、航空母艦での運用を考慮して左右の主翼は上方に折り畳むことが可能です。その武装には、機首に12.7mm機関銃が4門、主翼に20mm機関砲が4門搭載されています。機体は大型でありながら、2,100馬力のエンジンを2基装備していたため、甚だしい機動性を持つことが実現されました。F7F-1では、最大速度732km/h（高度6,100m）および上昇率1,320m/minを達成しました。

歴史的な運用

1941年6月、原型機2機の開発契約が結ばれ、社内名称G-51として進められましたが、太平洋戦争の勃発に伴い、海兵隊向けに500機が優先的に発注されます。試作機は1943年11月2日に初飛行を果たしましたが、海軍はF4F、F6Fなど既存の艦上戦闘機の生産を優先させたため、F7Fの生産は後回しとなりました。そのため、第二次世界大戦中にF7Fが実際の戦闘を経験することはありませんでした。

本機の生産契約は250機で終了しましたが、戦後1946年11月まで生産が続けられました。夜間戦闘機や戦術偵察機としても改良機型が登場し、朝鮮戦争においても活躍を見せました。複数の派生型が存在し、それぞれ異なる任務に適応しました。

特徴と問題点

F7Fは、重さと着陸速度の問題に直面しました。昼間戦闘機型は陸上基地で海兵隊によって運用され、航空母艦では主に夜間戦闘機型が使用されました。1950年代には急速に退役が進行し、残存機の多くは民間に払い下げられ、改造されて森林火災の消防機としても使用されたのです。

現存機体と登場作品

F7Fに関する機体は、所有者変更などを経て現在も存在しています。また、ゲーム作品においても登場しており、『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』などではアメリカ型航空機として実装されています。

F7F タイガーキャットは、航空史において特異な存在であり、その多機能性と高性能は今も多くの航空機ファンに愛され続けています。

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