FC-1 (航空機)

FC-1/JF-17: 中国とパキスタンが共同開発した多用途戦闘機

概要

FC-1（英文名：Fighter China-1）、またはJF-17（Joint Fighter-17）は、中国とパキスタンが共同で開発した単座式の全天候型多用途戦闘機です。中国では「梟竜」と呼ばれ、パキスタンでは「サンダー」という愛称で親しまれています。この機体は、第4世代の戦闘機であり、1980年代にはアメリカの技術を参考にして開発が進められました。特に、六四天安門事件によりアメリカからの技術支援が停止された後も、開発は続けられ、徐々に形になっていきました。

開発の背景

長い間、中国はMiG-21系のJ-7を生産し続けていましたが、性能の陳腐化に直面していました。このため、1980年代にアメリカのグラマン社との協力のもと、新型戦闘機スーパー7の開発がスタートしました。しかし、六四天安門事件の影響で西側諸国からの技術支持が打ち切られ、プロジェクトは難航しました。その後、FC-1という新しい名称を付けて再始動しました。

FC-1の開発には、パキスタン空軍からの協力も重要な役割を果たしました。パキスタンはF-16の技術を参考にしながら、共同開発を推進しました。また、ロシアのミコヤン設計局による技術も取り入れられ、より高性能の機体が生まれました。FC-1は2003年に初飛行し、2006年には改良型の試作機が完成しました。

発展と改良

2013年、パリ航空ショーでは複座型のFC-1B（JF-17B）が発表されました。これは訓練用の機体として設計されており、後部座席を持ちながらも実戦での運用が可能です。JF-17Bは、2017年に初飛行しました。また、2015年にはブロック2が開発され、電子戦システムや酸素供給システムに改良が施されました。さらに、2020年にはブロック3が初飛行を行い、さらなる性能向上がなされました。

設計と技術

FC-1は、機体のデザインや航空力学において大きな進化を遂げています。エアインテークは機体側面に配置され、より効率的なレイアウトとなっています。また、グラスコックピットを採用し、多機能ディスプレイで状況認識を向上させました。さらに、AESA方式の新型レーダーや、高度なミサイル警報装置を搭載し、戦闘能力が強化されています。

配備と使用状況

FC-1は、2003年にパキスタン向けに初めて販売されました。以降、パキスタンは機体を改良しながら、多くの機体を配備しました。さらに、ミャンマーやアゼルバイジャン、ナイジェリアなどに輸出されるなど、国際的な販売も進展しています。特にパキスタンでは、203機の導入を見込んでおり、予算の都合も含めて、さらなる導入が計画されています。

終わりに

FC-1/JF-17は、そのコストパフォーマンスの高さから発展途上国にとって魅力的な選択肢となっています。現在もその技術の進化と供給が進められており、将来的にはさらなる機体の普及が期待されています。

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